片方

「別れたい」この一言が僕の頭の中に響き渡る。何が起きたか分からない、時が止まったような感覚だった。僕は訳の分からないまま理由を聞いた。「価値観の違い」言っていることが理解できなかった。今まで楽しくデートをして毎日電話もして付き合って3年が経とうとしていたなのに別れたいだなんて彼女はつかさず言葉を放った。「自分のことしか考えてない君が嫌いになった、私の事なんて何も考えてくれてない」僕は理解が出来なかったので今日は待って欲しいと彼女に伝え家に帰った。スマホを見ると1年前の今日の写真と通知が来た。とても楽しそうにデートをしている写真だった。その途端涙が溢れ出した。ずっと好きだった、たくさん尽くしてきたつもりだった結婚するとも思っていた、この人が人生で最後の彼女だと。冷静になるために重い足を動かしてお風呂に入った。沼のように自分を飲み込んでいく感覚だった。この場所から動きたくない、動けない不思議な感覚だ、価値観の違い?私のことを考えてくれてない?だんだん悲しみから苛立ちに変わっていった。お風呂を上がると通知がきていた、彼女からだ。「もう私は別れたつもりでいるし何を言われようと無理」一方的に別れを告げられた僕は髪を乾かさないまま眠りについた、今日の事が夢であるように願いながら。

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