洋上戦機アクエリアス
亜未田久志
第1話 イグニスとの出会い
洋上学園には卒業生達が集っていた。
これから戦う男女たちだ。
この世界「イルミナ」では海底から「インベーダー」が人類種を襲っており。
それに対抗するため人型兵器「アクエリアス」が造られた。
セキュリティも兼ねて男女の遺伝子パターンを読み取る事でしか動かない仕組みになっていた。
俺はそんな中でもとびっきりイケメン(自称)の「コントローラー」であるイルク。
今日、これからパートナーに会いに行く!
そう一生の伴侶となる「イグニッショナー」に!!
俺が鼻息を荒くしていると周囲にキモがられた。
「なにあの死んだ魚の目」
「顔の作りは悪くないんだけどなー惜しいなー」
俺はそいつらを蹴散らすと檀上で卒業証書を受け取った。
「さらば学び舎! 俺は戦って! 結婚する!」
そして――
「紹介しよう、君のパートナー、イグニスだ」
変な爺に連れられ面と向かって出会ったのは自分より背の低い、銀髪碧眼のつるぺたショートヘアの可愛い子だった。だがしかし。
「今なんて?」
「紹介しよう、君のパートナー、イグニスだ」
「よろしくお願いします! 僕、イルクさんの戦闘ずっと見てました!」
「待ってくれ僕っ娘はいい。けど、どうして名前まで男の子なんだ?」
「説明しよう! どうしてもなにも! 彼こそが世界初の男性イグニッショナーだからだ!!」
え? 待って? 普通、そういう
「あの、大丈夫ですか?」
可愛い。上目遣いでこちらを見つめてくる。だが男だ。
俺は葛藤に葛藤を重ねた上。
爺の胸倉をつかんだ。
「なんでだよ!?」
『ほっほっほっ! その身体は機械のダミーじゃ。いくら乱暴しても無駄じゃよ』
天井からのアナウンス。首が取れる爺。
「本当にアードランド博士はお茶目だなぁ」
「アードランド博士ってあの!? アクエリアスの開発者の変態!?」
色々飲み込めなかった。
「これからよろしくお願いしますね、イルクさん」
「えぇ……えぇ……」
「? なにがそんなに嫌なんです?」
「なぁ知ってっか。イグニッショナーとコントローラーって生き残ったらだいたい結婚するらしいぜ。俺達、結婚出来ると思うか?」
「……」
「何故黙る!?」
困惑したような顔でイグニスは。
「いえ、どのような答えをご所望か分からなくて」
「俺だって分かんねぇよ!」
「それは理不尽な質問ですね。出題者が答えを用意していないとは」
これから、こいつと、イグニスと共にインベーダーと戦っていく事になるのだ。
俺は絶対に生き残ってやると決めた。
相手が男の娘だったから死にますなんてくだらなさ過ぎる。
俺の生きる理由は生き残って結婚する事から生き残る事へと格下げされた。
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