ep57 【とある連絡役の通信記録Ⅰ】
◇ ◇ ◇
――もしもし。お疲れ様です。
あなたに頼んでいた件ですが、どうなりましたか?
――ジェットアーマーを破壊された……ですか?
こちらの要望とは異なりますね?
――成程。つまり、あなたは独断でジェットアーマーを知り合いに装着させたと。
しかもそのせいで、空色の魔女に破壊されたというわけですか。
なんとも勝手なことをしてくれたものです。
自分はあなたに『ジェットアーマーの強奪』のみを依頼していたのですが?
――ああ、自分があなたを狙撃した件ですか?
こちらもあなたの動向は探っていたので、不要な交戦は避けて欲しかったのですよ。
その前は援護という意味で空色の魔女を狙撃しましたが、今回は交戦命令など出していません。
――あなただって、あの程度で死ぬことはないでしょう?
余計な口を利かないでください。今度は本当に撃ち殺しますよ?
――そうです。あなたはただ、こちらの命令に従っていればいいのです。
その力をあなたに与えた時から、もうあなたに反論できる余地などありません。
そうですね……。次は空鳥夫妻が残した研究データを手に入れてもらいましょうか。
――つまり『それは難しい』とでもおっしゃりたいのですか?
難易度なんて関係ありません。それ以上余計なことを言うのならば、まずは大凍亜連合にでも口利きしますよ?
あの組織にも自分の仲間がいます。命が惜しいのでしたら、詮索よりも命令の実行を優先してください。
――はい。では、今回はこれで失礼します。
=====
――お疲れ様です、社長。
例のジェットアーマーの件なのですが――
――はい。やはり、ジェットアーマーには空鳥夫妻が改良した、最新式の制御回路とAIは未搭載だったようです。
――はい。ですので、すでに次の手は打ってあります。
あの男に研究データの入手を命じました。彼にはそれを手に入れる経路があります。
あるとするならば、やはりそれでしょう。
――成程。そうですか。
では、空色の魔女については様子は伺いつつも、こちらからは特別な手出しはしないということで?
まあ、今はあのバードモンスターに任せておけばいいでしょう。
ですが、必要とあらば自分にご所望ください。
――このラルカ・ゼノアークが、そのご期待に応えてみせましょう。
◇ ◇ ◇
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