第21話 エピローグ
~エピローグ~
『…………という訳さ。
めでたし。めでたし。』
おばあさんは、魔本をしまうと
孫のチップとマギーが目を
キラキラとさせていた。
『これはね?昔から代々受け継がれた、我が家だけの不可思議な
出来事なんだよ?
分かるかい?チップにマギー。』
2人は声を揃えて話す……
『わかんなぁい!』
おばあさんは、眼鏡を外すと
クッキーを2人の孫達に差し出した。
『おばあちゃん、これいつも
作るの、何でなの?』
おばあさんは、孫達にウインクをした。
『サリーおばあさんは、恋を
勝ち取ったのさ。だけど。
わたしは…………。まぁ験担ぎ
みたいなものさ。そらお食べ。』
『いただきまぁす!』
チップとマギーが、一生懸命に
クッキーを頬張ると、
おばあさんは、クスクスと笑っていた。
『お前達は、可愛いねぇ。』
『ねぇねぇ、おばあさん?
今度、僕たちに赤ちゃんが出来たら、また妖精さんの魔本を
読んでくれない?』
『生きてられるかねぇ?ふぅ。』
おばあさんが、机の上に飾り付けた、青い薔薇の花瓶が……
手がぶつかって倒れてしまった!
おばあさんと、2人の孫は、
『あーーーーーー??!』
それもそのはず、魔本から妖精が、出てきたのだ!
3人は……驚き過ぎて、後ずさりした。
『こんにちは。初めまして。
僕は……エドワード王子だよ?
君達は……チップとマギーだね?
後は、おばあさん?』
『はぁ、サリーお母さんに
ずっと話を聞いていたよ??
懐かしいなぁ。』
おばあさんは、少しだけ痴呆症
だった……。
エドワード王子は、
おばあさんの手を握ると、
『久しぶりだね?僕だけの
ハニー。』
おばあさんは……訳が分からなかった。だがエドワード王子が
おばあさんのオデコに手をかざす。
おばあさんは……懐かしい
想い出を振り返っていた。
~サリーおばあさんから、血を受け継ぐモノ。ここに幸せあれ~
『エドワード?!
エドワードなのかい?』
おばあさんは、急激に表情を明るくした。
『懐かしいねぇ。よくぞ約束を
守ってくれたね。ありがとう。』
倒れた薔薇の花束からは甘い蜜と香りが充満していた。
『僕らの友情の証さ。』
永遠に続く。幸せとは…………
美しい心、そして人のために
一生懸命生きていくこと。
自分の信じた道を貫く事……
そう。何が起こっても、
相手を思いやり、信じ続ける
事かも知れない…………。
THE END
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