第7話 可愛い女の子とその両親と俺。
「「「「‥‥‥。」」」」
誰も喋らない。
気まずい。
まさか、彼女とハグしてたら、それを
彼女の両親に見られるとか
どんな拷問だよ‥‥。
う〜ん、何を話そう?
ヤっちゃったことは話さない方がいいよなぁ。印象は大事だし。
そう思っていると、結衣が
「この人は先輩で、三河順平先輩。
昨日、ホテルに泊まって、一緒に『してきた』のがきっかけで、できた私の彼氏だよ。」
と言う。
待て、そこまで言うのか!?
しかも、印象最悪だよ!!
両親どんな顔して‥‥。
そう思って見てみると、
父親は全てを失ったと言わんばかりの絶望した顔だった。
そりゃそうだ。
だが、反対に母親は、誇らしいような、よくやったという顔をしていた。
‥‥いや、なんでだよ。
「あははは、最初にそれを言うのね!
とりあえず自己紹介にしましょか!
私は神宮寺由香よ。
で、こっちが」
「‥‥‥神宮寺豊だ。」
豊さんは大分さっきの引きずっている。
どうしよう?
「ふふふ、でも、凄いはねぇ。
私達と同じようなことしてるなんて!」
「えっ、由香さん達もそうなんですか!?」
「そうよ〜、ていうか由香さんじゃなくて、お母さんと呼びなさい!
もおぅ、赤の他人じゃないんだから。」
物凄く愉快な人だ。
容姿もそうだが、本当に結衣に似ている。
「はぁ、私も君と同じことをした身だ。
私のこともお父さんで構わない。」
「はい、分かりました!」
そう言って、俺は嬉しくて笑った。
すると、お父さん、お母さんが驚いて
「結衣が好きになった理由がよく分かったわ。」
と言う、お母さん。
「‥‥‥。」
驚いたのか、声も出ないお父さん。
「でしょ〜!」
と、自慢するみたいな結衣。
えっ、何のこと?
「これは大変ね〜
順平君モテるでしょ〜。」
「そんなことないですよ。」
すると、結衣が
「あー、まだ、ファンクラブと親衛隊のこと信じてませんね〜。」
と言う。
「いや、それはそうだろ。」
だが、お母さんとお父さんは
「ファンクラブに親衛隊!
それは大変ね〜。」
「大変だな。」
俺の話を聞いてくれる人はいないのか?
「いや、本当にモテないんです。
今まで、彼女もいたことないですし。」
‥‥いや、なんでこんな事言わないといけないんだ?
「無自覚って怖いわね〜。」
「そうだな、1番大変そうだ。」
やっぱり、俺の話を聞いてくれる人はいないみたいだ。
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