第9話 類は友を呼ぶ

今日の買い物中、ふと見ると大学生っぽい集団が楽しそうに固まっていた。

ちらほらと何組も。


私はサークルというものに憧れるけど、入ったことはない。

あんな風にわいわい集まるのもサークルなのかなあと思う。


軽音楽部に入っていた知人のことを思い出した。

その子は小さい頃から厳しい指導でピアノを習っていたが、いつの日にか自由に表現するバンドに憧れたらしい。

なんというか、自分が持つ音楽への強いこだわりがあった。

いつも音楽のことで誰かと喧嘩していたイメージ。


その子の周りに音楽好きな人はいたけど、誰とも仲良そうには見えなかった。実際に聞いてみてもあまり好きじゃなさそうだった。

全然類は友を呼んでねぇと思っていた。

私は音楽を全く知らないけどすごく仲が良かった。

でも何が共通点か覚えていない。

考えも似ていないし、趣味も合わない、でもよく連絡していた。


今ではどこで何をしているのか分からないが、私のことは忘れていないと思いたい。

一体二人の類はなんだったのかなあとたまに思う。

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