第4話 SHRでも、限度がある。
あれから、俺は時間が経ち自分達の席に戻った。
ちなみに、俺は1番後ろの席で前には柚木がいる場所になっている。席替えに感謝だ。
そして、右には
「ねぇ、たっちゃん、さっき柚木君と何話してたのー?」
安祐美がいる。
「あ!それは私も気になる!」
と話に入ってくる女の子、安祐美の親友の
柳田麻耶だ。
「それはね、達也が朝疲れちゃったんだって話だよ!」
と、前から顔を出す柚木。
「あぁ‥‥。」
何かを察する安祐美。
「うん?あぁ、花音ちゃんのことか。」
なんとなく察する柳田。
「まぁ、そんなとこ。」
はぁ、なんで俺なんかを‥‥。
そんなことを話していると、担任の池谷結衣先生がやってきた。
「さぁ、皆んな席に座れー、SHR始まるぞー。」
そして、全員がそそくさと席に座った。
池谷先生は、軽いノリと話で生徒から人気があり、この先生が担任だと分かった時は、ほとんどの生徒が当たりだと思っただろう。
「じゃあ、まず、連絡事項からなー。」
先生が話し始めると、右隣の安祐美が小声で話しかけて来た。
「ねぇ、さっき、なんで俺なんかがって思ってたでしょー。」
「!?」
驚いた、安祐美が俺のことをよく分かっているのは知っていたが、ここまでとは。
「ダメだよー、自分のことを卑下しちゃうの!」
「そんなこと言ったって‥‥。」
「それでもよ!たっちゃんがそんな事をしたって、誰の気持ちを変わらない!
だって、人が人を好きになるのを抑えることは出来ても、
止めることは出来ないんだから。
それに、きっと、抑えれても、いつか爆発するだけよ‥‥。」
確かに、その通りだ。もしかしたら、安祐美がそうなのかもしれない。
‥‥‥そして、俺も。‥‥俺はバカだな。
もしかしたら、今なら伝えられるかもしれない。そう思った俺は安祐美に向き合った。
‥‥だが、それがダメだった。
それと、ほぼ同時に白い棒が俺のこめかみに直撃した。‥‥よく見たら、チョークだった。
「こらー、山内!連絡事項なんだからちゃんと聞けー!
私が何言ったか分かるか?」
「スミマセン、分かりません。」
「はぁ、仕方ない。もう、時間だから昼休みに私のとこに来い。」
‥‥‥やっぱり、俺はバカだ。
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