第20話・テストで勝負!!前編

学校の廊下にて……。

突然、四ノ宮が律子を呼び止めた。


四ノ宮「待ちなさい!勝負するわよ!!」

律子「突然何を言ってるのよ??しないわよ??」


四ノ宮は、ほくそ笑んで言った。


四ノ宮「アンタにその気がなくても、相棒はどうかしら?」

律子「は?アイボー??」


後ろでは、ミナと根倉が火花を散らしていた。


根倉「三番目!アンタの飼い主さん、勝負を捨てるみたいね?」

ミナ「このガリ勉メガネ!!最近のリッちゃんは、かよわくて情けないけど

絶対に勝負は捨てない!!」

律子「ちょっと…ミナちゃ~ん……」


四ノ宮が再び律子に話しかける。


四ノ宮「前にウチのネネが世話になったし、その落とし前って訳よ」

律子「落とし前?アンタはヤクザか……」


律子は勝負の内容を思案した。


律子「じゃあ…ミナと根倉さんがいるから、また勉強対決?」

四ノ宮「身の毛がよだつ事を言わないで…

勉強は、どう考えてもわたしら向きじゃ無いでしょう?」


勉強対決を拒否する四ノ宮を他所よそに、後ろの二人は盛り上がっていた。


根倉「どうやら、勉強で勝負みたいね?」

ミナ「のぞむところよ!!」

律子「ちょっと…アンタ達??」

根倉「三日後、丁度テストがあるわ!しーちゃんとの合計点で勝負よ!!」

四ノ宮「あ…あの……」

ミナ「じゃあ、リッちゃんとの合計点で吠え面かかしてあげるわ!!」

律子「二人とも……」


律子と四ノ宮の意志を無視して、二人は火花を散らしていた。


根倉「どうせわたしは百点取るから、結果はしーちゃん次第!

まあ三番目への、ささやかなハンデね!!」

ミナ「わたしだって百点取るもん!!」

律子「勝手な事を言ってるよ…」

四ノ宮「負けたらネネとは絶好ね…」


そして…次の日……。


先生「みなさん、テストが近づいてます」


生徒1「うわ…マジか…」


先生「出来る人もそれなりの人もダメな人も

早く帰って勉強して下さい」


生徒2「俺…早く帰ろうかな…」

生徒3「わたしも…自信ない…」


先生「学校で勉強したい奇特な……

いや、真面目な人は四時まで図書室の使用を許可します」


生徒4「図書室で勉強か…」

生徒5「悪くねーな…」


下校前、安田が律子に話しかけた。


安田「テストが近くて部活が休みなの、一緒に帰ろうよ」

律子「うん安田さん、一緒に帰ろ……」


グイ……


律子「う…」


ミナが律子のポニーテールを引っ張った。


ミナ「ダメだよ、図書室で勉強だよ!!」

律子「エ~ッ!なんで??」

ミナ「もちろん、ガリ勉メガネに勝つ為だよ!」


律子が勉強と聞いて安田は驚いた。


安田「リッちゃんが勉強!?」

律子「ねえ…安田さんも、勉強やろうよ…」

安田「わたしは、平均点取れたら満足派なので帰るね」


安田は教室を出た。


律子「聞いた?平均点だよ、平均点取れれば良いよね?

そんなに頑張る必要ないよ!!」

ミナ「でも…リッちゃん、平均点すら取った事ないじゃない…」


そして…二人は図書室の前に来た。


律子「ねえ?マジでやるの?」

ミナ「当り前です!猛勉強してガリ勉メガネを

ギャフンと言わせるわよ!!」


気合の入ったミナは誰にも止められない…。


ミナ「ガリ勉メガネに勝つぞ!!オー!!」


律子は力なく応えた……。


律子「オー……」


そこへ、根倉が現れる。


根倉「三番目が、随分と調子に乗ってるわね?」

ミナ「ゲッ!!ガリ勉メガネ!!??」

律子「なっ!?こっちには、廃人の四ノ宮さんが!!」


律子の前には、廃人と化した四ノ宮がつぶやいていた…。


四ノ宮「ネネが…図書室で…無理やり…勉強を…」


図書室の前で大騒ぎする二人……。


根倉「図書室で勉強なんて、涙ぐましいわね!三番目!!」

ミナ「アンタだって、四ノ宮さん連れて来たじゃない!!」


二人の前に図書委員の先輩が現れた。


先輩「アンタ達!!図書室の前で大騒ぎするなんて

何考えてるのよ!!」

ミナ「図書委員長の本吉先輩??」


先輩は二人を説教した。


本吉「アンタ達は当分の間、図書室は出禁できんよ!!」

根倉「そ…そんな…」

本吉「問答無用よ!!」

ミナ「せ…先輩!!」


律子は廃人の四ノ宮に言った。


律子「なんだか…私達勉強しなくて良さそうね?」

四ノ宮「う…うん……」


ミナは律子に宣言した。


ミナ「負けないわよ!リッちゃんのお部屋で勉強ね!!」

律子「え!!??マジで??」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る