眠ル音
凪ノ空音
第1話 死ノ音
幸せを求める程に醜くなってゆく。エゴが暴れるこの世界で僕は死んでゆく。
「君の夢は。」「君の思いは。」
僕の夢も思いも死んでいる。そんな音がする。
齢15にして悟るこの死。まだこどもであろうがもう大人であろう。へぇと頷いてちゃだめだがはぁと溜息は漏らせず。
日々淡々と生きてゆく身が死んでゆく。思考が腐ってゆく。五月蝿い奴は消えれば良いが都合よく利用するのにはそのままいて欲しい。思惑の錯誤に正義を添える。
僕らはどう死ぬ?
事故死か他殺か、老衰死か、はたまた自殺か。
いいや違う。僕らは既に生きてなどいない。どこにもいない。この魂も肉体も乖離したまま浮遊している。円満具足に過ごす奴などおらず皆が目を光らせ誰かの不幸を願っている。そんな世界には死が蔓延る、故に僕らは音を立てて崩れてゆく僕らを殺せと叫んでいる。笑えたことだろう、空耳だよ、僕らは眠りからは醒める気がしないのだから。
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