別れ



 雪が降っていましたが、なんとか収まりました。道路の雪はほぼ解けて、歩道がつるつるとしている程度です。雪が降ると、早起きをしなければなりません。あー辛い。このカクヨムコン9の時期と雪が重なると、読んだり、書いたりする時間が削られるので、結構つらいんですよね。


 まあ、それでも例年よりは雪が少ないので助かっておりますけれども。先日の地方紙に「スキー場の営業ができない」という記事が載っていました。雪が少ないそうです。これは困りますね。冬といえばスキーですから! 


 若いころは友達とよく行きました。仕事を終えて、ナイターで滑ろうって。私の時代はスノーボードが流行り出していて、もちろん、ボードをやっていました。学生時代に、なにかの時に使うようにって、職場が定期預金をおぜん立てしてくれていたのも、全部つぎ込んでボードを買いました。


 結局、結婚して、転居している間に、古くなってしまったので手放しましたけれども。また滑りたいな~。娘にも行ってみたいといわれますが、雪道の運転に自信がないので、なかなか連れて行っていません。そろそろ連れて行ってもいいころ合いなのも。


 昨日は、私が20年近く所属している合唱団の指揮者の奥様の通夜に行ってきました。今時ですから。家族や親族以外は、廊下でお焼香だけをして帰るというシステムになっていましたが。そこにちょうど合唱の仲間たちがいて、先生がスマホで生前の奥様の様子を見せてくれているところでした。


「今がいいな。動画で残して置けるんだ。母ちゃんだ」と笑っていましたけれども。これからドンと来るんだろうなと思うと、ちょっぴり切ない気持ちになりました。


 先生だって、今年米寿です。奥様もいいお年頃で、コロナ前から認知症になっていたと聞いていました。ずっと奥様に家事を任せきりだった先生も奥様が認知症になってからは「おれが料理してるんだぞ」って笑ってお話されていましたけれども。


 本当に仲良し夫婦だったんでしょうねえ。うちの合唱団って、先生の教え子たちが始めた合唱団でして。先生が新婚時代、初代団長と初代副団長が、一升瓶の酒を抱えて、毎晩通い、そして先生を説得して始めたという伝説が残っております。毎晩のように一升瓶を開けるものですから、敷地内に山のように置かれた一升瓶があった、というエピソードまでついています。


 新婚家庭に毎晩通い詰める教え子ってさ。いい迷惑ですよ。本当に。でも、それくらい、奥様も一緒になって色々な道を乗り越えて、ここまで来たんだろうなって思います。


 初代団長はすっかり先にお亡くなりになっています。先生は教え子たちを何人も見送って、そして今回は人生の大半をともにした伴侶である奥様も見送ることになったのです。高齢者というのは「喪失の時代」と呼ばれます。親しい人たちの死、社会的地位の喪失、役割の喪失……。色々なものが失われているライフステージになるわけです。長く生きていると、いろいろな思いをするのでしょうね。ちょっとこれからの先生が心配です。


 先週は元夫の祖母の一周忌でした。当時はとってもかわいがってもらって。大好きな祖母でしたけれども。離婚してからは、一度も会うことなくお別れになってしまいました。気持ちは参列したかったですけれども、立場上、やっぱりおかしいかです。親族だけで集まるということでしたから。子供たちだけ行かせました。


 うちの子たちからすれば、お菓子をくれるひいばあちゃんです。部活を早退することもいやな顔一つせずに、行ってくれました。けどね。驚いたことに、帰ってきた娘たちに話を聞くと、来ないんですって。みんな。えー。信じられない。


 どうしてもの仕事なら仕方がないけれど。オンライン研修とかさ。塾とかスポ少の練習とか。そういう理由でばあちゃんの一周忌に来ない人っているんだって驚きました。まあ、そういう家なんでしょうけれども。なんだか悲しくなりますね。


 集まったのはたった8人だったそうです。うちのばあちゃんの一周忌の時には、他県に散らばった孫たちもみんな勢ぞろいして、みんなでばあちゃんを偲びました。なくなった方は、みんなが仲良くしてくれるのを見て安心するのだろうって思うんです。でもそれは私の価値観であって、あちらの家の価値観とは合わなかったということなんでしょうね。ちょっと離婚してよかったって思います。嫁でいたら、かなりのストレスだったことでしょう。


 子供たちにも言いました。「あんたたちまでだよ。ばあちゃんのこと知っているの。あんたたちの子供たちは、ばあちゃんのことなんてわからないんだから。時々思い出してあげなさい」って。そしたら、長女が「お寺の人もそういってた。時々思い出すのが供養だって」と言っていました。


 そうだよね。これが大事だよねって思います。死んでしまった人たちは、生きている人たちの心に残りますけれども、その人たちが思い出さなければ、その存在は消えてしまいます。覚えていたから、なんだよって話かもしれませんが。自分がお世話になって人への感謝を忘れずに。そうして生きていくほうが、いい人生を送れるのではないかって思うんですよね。


 人の死については、色々と考えさせられることが多いです。この年になってくると、知っている方がなくなることが多くて。私も死んだら、あの人、待っていてくれるのかなって人が増えていきます。まあ、それも人生。こうして人は死を受け入れていくしかないのでしょう。


 湿っぽい話になりました。さーて。書くぞって思いますけれども、なかなかおじさん探偵団から頭が切り替わりません。去年もうだうだしていてルビー大賞の締め切りギリギリまでやっていたので、今年は早めに終わらせたいなって思います。

 頑張るぞー!

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