救援物資って難しい
能登半島地震。死者数が日々増えているニュースを聞くと、本当に心が痛みます。東日本大震災の時は、津波で大変なことになりましたけれども。今回は火災と家屋倒壊がひどい影響を与えているようですね。
映像を見ていると、惨憺たる光景に言葉を失います。SNSでは、色々な情報が飛び交っているのを見ていると、当時のことを思い出してしまうので、あまり見ないようにしているところです。
しかし、そうはいっても、自然に目に入ってくるのがSNS。個人のボランティアや物資の搬送はお断りというポストを見かけました。気持ちは本当にありがたいですが、個人でバラバラに届けられる救援物資ほど、扱いに困るものはないということですね。
東日本大震災の時に、義母が行政に所属していました。彼女がよく言っていたのは、おにぎりなどの消費期限が早い救援物資の扱いに苦慮するということ。救援物資できたものは、とにかく配らなくちゃいけないんですけれども、配るための労力がとても大変だそうです。そのうちに、消費期限が過ぎそうになるわけで。すぎちゃったから、自分たちで食べちゃいましょうというわけにもいきませんし、廃棄してしまうわけにもいきません。大変、頭が痛かったといいます。
かくいう私の職場でも、震災から1年も経過したころ、とある県から届いた救援物資の行き場がないので、引き取ってほしいという打診が。うちの職場、けっこう欲張りですから。安易に「いいですよ」なんて言ったのが間違いでした。
なんと10トントラックがやってきて、毛布やらマスクやらを届けるというのですから、困ったものです。うちの職場は、この救援物資の保管のために、わざわざ倉庫まで借りたんですよ。しかも届いたマスクは、中国製の消費期限が切れたものや、竹炭配合、みたいな変わり種の売れ残った商品のマスクも混ざっています。カビの生えた毛布なども混ざっていて。使えるものは、2/3くらいだったでしょうか。
1年間。県がどういうところで保管していたのかはわかりません。届いたときからかび臭いのか。届いた後の保管状況が悪かったのか。余った救援物資を県は捨てることもできずに、1年もかけて貰い手を見つけていたということなんでしょうね。それをもらってしまった我が職場。廃棄するにも金がかかり、保管するにも金がかかり。ただより高いものはないって、こういうことだなって、思いましたが。
トラックが来たときは、職員総出で荷物運びをさせられ、一人、数枚の毛布を持って帰るように言われて、「えー」ってなった記憶があります。
被災地が欲しているニーズと、する側のニーズがマッチしないと、なかなか大変です。しかし、今は混乱をしている現場では、そういうニーズを声にするのも難しいわけで。
私が震災で経験して一番困ったのは断水。それからガソリンの不足でした。ともかくライフラインの普及が急務だと思うんです。なので、ライフラインの工事関係者の皆様のお手伝いがあるといいんじゃないのかしらって、個人的には思っているんですけれども。
先日、ラジオで防災看護師の方がお話していました。避難所に行くと、集団生活になってストレスフルになるので、自分がリラックスできる五感を満足させられるようなものを持参するようにとのこと。好きなアロマ、好きな絵などがその代表だそうです。なるほどなって思いました。そういうもの、避難グッズには入っていないもの。
好きなお菓子もいいそうです。避難所で配られるものはいつも食べつけないものばかりですから。お菓子も入れておきましょうだって。なーるほどです。防災グッズをもって逃げる余裕がなかった方も多いとは思いますが、日頃の準備って大事だなって思います。
ずっと気持ちが塞いでいますが、目を背けずに、新聞などには目を通すことにしています。早く少しでも日々の生活が戻りますように。心から祈っています。
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