我慢は死語?



 三連休に一日目。今日は仕事です。昨日は雨が降っていて、すっごく寒かった。ヒーター出しました。冬支度です。


 このネタ、前のエッセイのどこかでも書いた気がするんですけれども。

 先日、後輩たちと昔の話で盛り上がりました。私が子供の頃は、夕飯は親が決めたメニューが出てきて、一度も「なにか食べたいものある?」なんて聞かれたことがありませんでした。好き嫌いの多かった私は、食べられない日もありましたが、そういう時だって、代替えのおかずが出てくるわけもなく。「漬物で食べていないさい」くらいの話でした。


 その話をしたところ、十歳年下の後輩も「私もそうでしたね」と言います。それから、テレビね。当時は、録画機能なんて一つもありません。見たいアニメの時間にテレビのところに行くと、じいちゃんがニュースを見ているんですよ。当時、テレビは年寄りが占領していた!


 なんとか交渉して、一つだけ見せてもらう。「8時までね」という制限つきでみさせてもらう。8時以降になると、歌謡ショーか時代劇を見るじいちゃんたちに、テレビを返さなくちゃいけません。音楽番組なんて、見ている時間はなし。当時好きだった、光GENJIの放送を見たくて、ちょっとだけ見させてもらって、歌をカセットテープに吹き込んだこともありましたね。CDとかも出始めの時期です。子どもにとったら、いつでもどこでも、好きな歌が聞けるような時代でもなかった!


 そんな調子ですから。小学生は8時になると暇。我が家は自営業でしたから、5時に帰宅をすると、すぐに風呂に入らされて、7時までの間に夕飯を食べるわけです。やることないですよね~。8時以降は、自分の部屋に籠って漫画を描いたり、布団に入って眠っていました。


 それに引き換え、今時の子ども達はどうでしょう。我が家の小3の娘は、10時近くまで、布団の中でタブレットのゲームをしています。上の子も動画鑑賞。撮り貯めしておいたアニメもみます。なにもしないでいる時間なんて、ほとんどありません。


 今時の子がメリハリがないのは、なんでも好きな時に、好きなものが堪能できるという生活スタイルが悪いのではないか——という話です。昔は、その時間にテレビを見なければ、結局は見られなくて、次の日にクラスの子と話が出来ないってことが多々ありました。だから必死です。じいちゃんにテレビを貸してもらえるように、必死に交渉しました。


 うちの娘なんかは我儘放題です。「今日はカレー食べたい気分じゃない」とか平気で言いますし、いつでもどこでもテレビを見たがります。終いには、「週末、映画見に行くから。お金頂戴」。五千円を渡すと、「足りない~。アニメイトにも行くんだよ?一万くらいないの?」とか言い出します。おいおい。なんて我儘なんだ! 足りない分は自分のこづかいで足せや。


 先日、ラジオで言っていました。在宅ワークも普通になってきて、精神的に不調をきたす人が多いそうです。自宅にいても仕事のメールが舞い込むのが一因らしいです。インターネットが発達した今、24時間、どこでも人とのつながりがもてる反面、メリハリがなく、一人の時間がないということらしいです。


 高校生で「学生はスマホを手放そう」運動をしている子がいると聞きます。彼女は「スマホを眺めている時間はもったいない。今しかできないことをしませんか?」といったような内容の話をしていたように記憶しています。確かにそれな。スマホなんて、大人になって思う存分やればいい。学生の頃しかできないこと、満喫したほうがいいじゃないか、って大人になった私は思うわけです。


 学校から帰ってきて、夜中まで友達と繋がっているのもいいけれど、自分を見つめたり、今日一日のことを振り返ったりして、物思いにふける時間って大事だと思うんだけどな。


 欲しいものがすぐに手に入って、自分の思い通りになる世の中です。職場に入って来る若い子だって、すぐに見切りをつけて辞めていきます。そういうご時世なのでしょう。私みたいな「3年は頑張ってみよう」みたいな考えは「昭和の古臭い考えでしょー。根性論じゃん」とか笑われるのかも知れませんね。



 

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