第200話
「パーティー組んでても本人が行ったことがある階層までしか行けなかったことをすっかり忘れてたよ」
すっごい基本的なルールなのにすっかり忘れてた。
元々へパスで坑道掘りとして生活していたお義母さんがアストのダンジョンに入ったことがある訳がなく、普通に1階から進んでいく必要があった。
「まぁ、Lv30までなら1階から倒しながら進めば今日中に上がるでしょ」
このダンジョンは若干強めの魔物が出てくるからその分レベルは上がりやすい。
という事で視界に入った魔物は全部倒しながら先に進む。
今日だけで7階層まで進めたので最後にストーンアントの巣を殲滅してお義母さんのレベルが32になった。
「これでようやく攻撃魔法を使えるようになったわけだけど。試す前に宝箱の中身を確認しましょう」
殲滅したストーンアントの巣には鉱脈はなかったけど、宝箱が設置されていた。
いつも通り分身に宝箱を開けさせると今回は鏃に毒を塗ってある矢が飛び出して来た。
宝箱の中身は研究者が着るような白衣が入っていた。
「効果はわかんないけど。パニーのバニースーツみたいなコスプレ装備かな?」
この世界コスプレ装備は結構いい性能をしているので当たりではあると思う。
結局性能は分からないので、帰ってからサテツに鑑定してもらおう。
ただストレージに仕舞ったら、錬金術師の白衣と表示されたので、錬金術師の装備なんだと思う。
この装備はジュリアナさんの装備だな。
宝箱の中身の確認が終わったので次はお義母さんの攻撃魔法の試し打ちだ。
「正直、ディメンションカッターって射程短すぎて使い勝手良くないんですよね。火力は高いけど」
ディメンションカッターは魔法Lv3で覚えられる攻撃魔法にしては火力が高いけどその分射程が短いと言う弱点が存在する。
他の魔法Lv3で覚える攻撃魔法の射程は平均で50mぐらいあるのにディメンションカッターは5mしか射程が無い。
射程が10分の1しかないのは中々問題だと思う。
火力は10倍なんてことないし。
精々1.5倍ぐらい?
「ショートワープが使えるようになればショートワープで縦横無尽に移動しながらディメンションカッターで攻撃するって方法があるけど」
ショートワープが使えるようになるのはレベルを60まで上げないといけないし、魔力の諸費が基本高い空間魔法を連発することになるので、燃費がすごく悪い。
後、連続で転移するので景色が目まぐるしく変わるし、慣れるまで酔って吐く。
「まぁ、ドワーフは元から前衛よりのステータスだから射程が短くても問題ないよ。
ピッケルで戦ってたわけだし」
そう言われて見ればそうだな。
この世界、魔法使い系のジョブになったから
ってステータスが魔法使いよりになったりはしないし。
ピッケルで魔物を殴り倒してきたお義母さんなら射程が短くても問題ないか。
「あとはベクトルプレートって魔法はどんな効果なの?」
「基本はトラップとして使う魔法ですね。矢印型のプレートを設置できて、プレートを踏むと矢印の方向に飛ばされるって感じの魔法です」
まぁ、ありがち効果の魔法だと思う。
使えないことはないけど。
使いこなすのは難しいよね。
使いこなせれば緊急回避に使ったり、奇襲に使ったり使い道は割とある魔法なんだけどね。
ちなみに足のしたに直接ベクトルプレートを設置させることはできない。
足の真横とかになら設置できるんだけどね。
当然飛んだり浮いたりしている相手にも使えない。
「なんだか癖のある魔法だね」
「空間魔法はだいたいそんな感じですよ」
お義母さんが空間魔法に慣れるために何度か魔物を引っ張てきて空間魔法で倒したからダンジョンから脱出する。
「そう言えば、ジェニーさんの収納袋、折角ディメンションワームの胃袋を使うんだし。ファイアードラゴンの鞣した皮使っていい?」
収納袋は内布にディメンションワーム系の胃袋を外布に魔物の鞣した皮を使って作る。
胃袋の方が収納袋の品質に直結するのは当然だけど外布の方の鞣した魔物の皮も質の高い物を使えば収納袋の品質を上げて内容量を増やすことができる。
「収納袋に使う分なんてたかが知れてるし。別に良いよ」
ジェニーさんにはこれから沢山お世話になる気がするし。
「ジェニーに昔の恩を返したいのはわかるけど。材料聞いたらジェニー逆に受け取ってくれないんじゃないの?」
ファイアードラゴンの皮は確かに高級品だけど。収納袋を1つ作るぐらいの量ならディメンションワームの胃袋の方が普通に高い。
ジェニーさんなら追加料金を払うとは言うだろうけど受け取ってくれるんじゃないかな?
それにジュリアナさんが錬金術師になって活動し始めた頃。
ジェニーさんが信用出来る商会を紹介してくれたり。
錬金術に使う素材をお酒の材料と一緒に注文して運搬費をオマケしてくれたり、かなりお世話になったからその恩返しがしたいって話だし。
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