第198話

「ってことでアストに帰ってさっさと空間魔法使いに転職して貰おう」


わざわざへパスでする内容の話じゃないし。


と言うことでアストに帰って来ると街中が騒がしい。

何か問題が起きたと言うよりは街全体でお祭りをしているような騒がしさだ。


祭りの予定なんてあったっけ?


流石に街全体規模の祭りを開催当日まで気づかないってことは有り得ないと思うんだけど…ないよね?


「祭りの予定なんてなかったはずだけど」


ジュリアナさんもこう言ってるし、今日祭りがあるってことはないだろう。


「おかえりヒロちゃん。戦争が勝利で終わったって知らせが届いたからお祭り騒ぎになってるのよ」


ディラストとの戦争がようやく終わったか。


それじゃ1週間ぐらいでアディルさんたちも帰ってくるかな?

王都で戦勝報告とかあるだろうし、アストに帰ってくるのはもっと後になるかな?

ダンジョンを設置する許可を貰いたいからアディルさんには早く帰って来て欲しいんだよね。


あ〜でも、レガリアって言う面倒事も一緒に帰ってくるのか。


冒険者ギルドに貸し出す予定だけど。

ようやく体調が回復してきたシエラさんがまた倒れないか凄い心配。


そう言えば斥候系のジョブでオススメはないか聞かれたけど、斥候系は詳しくないからハルカちゃんに聞いてみてくださいって行ったけど。俺からハルカちゃんに聞いてみみるか。

ついでに転職できるようにするための条件クリアに必要なアイテムとかもこっちで用意する。

最低限このぐらいはしてあげないと申し訳ないレベルで色々巻き込まれてるからなシエラさんは。


ハルカちゃんに情報量を払わないといけないけどそれも必要経費だ。


でも、それが終わればゴタゴタは片付くし、世界的には落ち着いてくれるかな?


まだ、悪いこと考えてる神がいるからそうなるか微妙なところだけど。


後あれだ。プラムをアイテムを使って強制的に使役した連中もまだ残ってる。


やっぱりまだまだ荒れそう。


「とりあえず。一区切りついたようで良かった」


「そう言えばアディルちゃんが帰ってきてから戦勝を祝うお祭りをやるんだけど。カワサキに屋台を出さないか?ってお誘いが来てたわよ」


カワサキ自身も屋台をやりたいって言ってたし、丁度いいお誘いだな。


その話はカワサキが人間になってからって話だったけど。

向こうから話を持ってきたんだし。

カワサキには頑張って貰おう。

タイミングによっては薬の調合が間にあって

コボルト・コックとしてじゃなくて獣人として屋台を出せるかもしれない。


丁度最後の素材の入手の目処もついてるわけだし。


「向こうから話が来てるなら有難く屋台を出させて貰おう。カワサキもやりたいって相談されてたし」



「良かった。カワサキご主人様なら良いって言ってくれるって凄いやる気だったし」


カワサキにはそのまま頑張って欲しい。


後で俺からも応援してるって直接言っておこう。


「気を取り直して、これは誰でも1回だけショートワープが使えるアイテムです。これを使えば空間魔法使いが選べるようになってるはずです」


ちょっと脱線したけど本題に戻る。


「そんなアイテムが存在することに驚きなんだけど……」


そのアイテム貴女の娘さんが作りましたって言ったらどう言う反応をするんだろう?

少し気になるけど。また脱線しそうだし黙っておこう。


「まぁ、これに関してはここでなら割と簡単に作れるんで気にせず使ってください。それと使う時は転移する場所には注意してくださいね?」


ちゃんとここに転移するって決めないと石の中にいるとか起きかねない。

ショートワープは目視できる範囲しか転移できないけど。

遠距離転移と違って事前にポイントを設置する必要が無い。


だからこそ、しっかり転移する場所を決めておかないと事故る可能性もあるんだけど。

イメージだけじゃなくて実際に見て決める訳だから気をつけておけば失敗することはない。


「それじゃ、俺はサテツから蒼銀装備を貰って来るから後はジュリアナさん任せた」


毎回コバルトとミスリルの合金って言うのは長いので、俺が勝手に蒼銀と名付けた。

青系だしミスリル混ざってるし、悪くない名前だと思う。短くて呼びやすいし。


ちょっと脅しすぎてスクロールを使うのにびびってるお義母さんをジュリアナさんに任せて、地下の鍛冶場に向かう。


事前に念話をして蒼銀装備が欲しいと言ってあるので、サテツは装備を用意して待っていた。


「ヒロキ様ご希望の魔力消費を軽減する物と魔力量を上昇させる効果がついたものです」


錫杖、指輪、ペンダント。


錫杖は打撃武器にも使えそうだね。総金属製だし。

ちょっと重いかなと思ったけど。ピッケルをで坑道を作っている人からしたらこのぐらいの重さなら問題ないだろう。


「ありがとうサテツ」


「ヒロキ様のお役に立てて良かったです。本来はヒヒイロカネ合金を完成させてヒロキ様の刀をご用意したかったのですが……」


まだ自身で作る玉鋼の品質が低く、完璧なヒヒイロカネ合金を作れないことを悔しがっているようだ。


「まぁ、ヒヒイロカネの刀については無理に急がず作って欲しい」


サテツなら必ず完成させると思ってるので焦らずのびのびと作って欲しい。

後は玉鋼に適した高品質の砂鉄を探してあげるか。

元々お願いされてたことでもあるし。


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読んで頂きありがとうございます。

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