第189話

「それで偵察に行った職員に関してはアダマンタイト鉱脈であると確認したこと、驚異であるアダマンタイトリザードを発見したこと、この2つの功績で初年度のアダマンタイトの採掘量から0.1%分の鉱石か金額を受け取る権力があります。当然冒険者ギルドからの報奨金も用意してあります」


俺に比べてかなり低くなってるけど、アダマンタイトリザードを倒さない限り採掘ができないからってことなんだろう。

0.1%でも個人で受け取るにはそれなりの量貰えるだろうし。


とにかく偵察に行ってくれた人もしっかりとした報酬が払われるみたいで安心した。

俺が冒険者ギルドに対してキレたのは正当な報酬を払わずに働かせようとしたから。

それは俺に対してのみじゃない。


働きには正当な報酬を命をかけた仕事なんだから最低限ここはしっかりしないと。


「偵察に行ってくれた人にもしっかり報酬が払われるようで安心しました」


とりあえずアダマンタイトリザードを早く倒してしまわないと、いつまでもドワーフの皆さんが採掘に行けないのでお話はここまで。

早速アダマンタイトリザードの討伐に向かう。


「【雷化】【思考加速】」


いつもの高速移動コンボで接近して小狐丸で首を切り落として終わり。

まぁ、この程度の敵ならこれで終わりだよね。


それにしても小狐丸で斬るのもかなり上手くなってきた。

小狐丸はなんでも斬れるけど、少しでも斬るときの角度が悪いと刀身が砕けると言うデメリットが存在する。


砕けた刀身は時間で自動修復するけど刀身が砕けるのは心臓に悪い。


日本刀の練習にちょうど良いからとシロナさんがくれたレガリアだけど。最近やっと使いこなせるようになってきたかなと自信がついてきた。


「あれ?番だったのか、まぁやることは変わらない!」


アダマンタイトリザードは番だったらしくさっき倒した個体より少し大きい個体が奥から現れた。


さっきと同じように高速移動コンボで近づき首を切り落とそうと小狐丸をふるう。


だがアダマンタイトリザードを傷つけることはできず。小狐丸の刀身が砕け散る。

さっき小狐丸を使いこなせてきたかな?とか調子に乗ったせいですかね!?

斬るときの角度が悪かったせいで小狐丸が砕けてしまった。

調子に乗るとすぐ失敗するってやつですね。


「【火槍】」


慌てずに妖術で頭を吹き飛ばして討伐する。



「一体しかいないと思ってたから、もう引き返しても大丈夫だと思ってたけど。まだいる可能性もあるし最奥まで確認してから帰ろうか」


倒したって報告した後にまだアダマンタイトリザードがいたなんてことになったら大惨事だし。


「まともなこと言っても調子にのって失敗したのはなかったことに出来ないからね?シロナさんにもヒロちゃんは調子に乗ると基本失敗するって言われてるのに…」


「まぁ、こっちのアダマンタイトリザードを見せれば。魔法が効かないアダマンタイトリザードを魔法で倒した!?やっぱり彼は規格外だってなるでしょ?」


「首を一撃で切り落とされた死体でも充分そうなるよ?魔法の腕だけでなく剣の腕も一流なのか!?って」


「まぁまぁ、この失敗は次に生かすってことで」


「できてないからシロナさんにしごかれてるんでしょ?」


全くもってその通りです。


そんな感じで軽くお説教されながらアダマンタイトリザードが掘ったアダマンタイト鉱脈に繋がる洞穴を進む。


「結局、新しいアダマンタイトリザードは出てこなかったな」


最奥まで確認してたけどアダマンタイトリザードが追加で出てくることはなかった。

まぁ、これで安心してアダマンタイトリザードを討伐したって報告できるだろう。


という訳でアダマンタイト鉱脈には一切触れず、へパスに帰る。


「分かりやすくアダマンタイトリザードを持ちながら歩いた方が良い?」


「多分鉱脈がアダマンタイトだったってことと合わせて収集がつかなくなるから、そこまでしない方が良いよ」


そうジュリアナさんに言われたので大人しくギルドに向かう。


ドワーフ達が狂喜乱舞しだすのは俺も嫌だし。



「無事に討伐してきましたよ」


アダマンタイトリザードに進化していると知っている人が現時点でどれぐらいいるのか知らないのでとりあえずアダマンタイトリザードの名前を出さずに討伐したと報告する。


と言うか鉱石食べただけで進化したってことだよね。進化の実を食べなくても進化できることがあるってこと?

良く考えれば進化の実でしか進化出来なかったら海の魔物とかどうやって進化するの?って話だよな。

魔物によっては進化の実を食べなくても進化する方法があることもあるって思っといた方が良さそう。


と言ってもアダマンタイトなんて進化の実よりも見つからないだろうし。どっちの方が難易度高いか?と聞かれたらアダマンタイトを見つける方って答えるけど。


「ヒロキ様。ギルドマスターが個体の確認をさせて欲しいそうです」


それはそうだろう。死体を確認するまでは安心できないだろうし。


「分かりました」


受付嬢さんに案内してもらいギルドマスターが待っている解体場に向かう。



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読んで頂きありがとうございます。

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