第190話

「2体いたんですか!?」


「2体いました。やっぱり鉱石を餌とする魔物的にもアダマンタイトは貴重ってことなんでしょうね」


アダマンタイト鉱脈は人間からしても貴重なものだけど、アイアンリザードをはじめとした鉱石を餌とする魔物的にも貴重なものということだろう。

今後も定期的にアイアンリザードみたいな魔物がアダマンタイト鉱脈を狙って現れる可能性は高いと思う。


今度からは進化する前に倒せば良いだけだし。今回みたいに俺を呼ばなきゃいけないと言う状況にはならないだろう。

既に進化した状態の魔物が来た時は呼んで貰うしかないと思うけど。


割と多いからね鉱石を餌とする魔物。


ナメクジっぽいのとかワーム系とかスライム系とか。

その全部がアイアンリザードみたいに鉱石を食べてだけで進化するかは分からないけど。

可能性はあるし注意はしないといけないだろう。


まぁやるのは俺じゃなくてへパスの人達だけど。


「今のところは追加の魔物はいないと思いますけど。次が来る前に警備をつけた方がいいと思いますよ」


魔物だけじゃなくて盗掘狙いの人も現れるだろうし。


そう考えると鉱脈の管理って大変だよね。

魔物や人から守るためにしっかりした警備が必要だし、アダマンタイトを売って欲しいって押しかけてくる人の対応もしないといけない。


それなりに旨みはあるだろうけど、俺は鉱脈の管理なんてやりたくないな。


「それに関しては領主代行と話して決めないといけませんけど。すぐに派遣という形になると思います。それと大々的に発表されるまでアダマンタイトの鉱脈が見つかったことは秘密にしていて欲しいのですが……もちろんその分の報酬上昇は予め、領主代行に了承していただいています」


特に言いふらすつもり無かったけどラッキー

領主不在の状態で発表するにはちょっと重大な内容すぎるからね。


「分かりました」


「ありがとうございます。それでアダマンタイトリザードの素材の話なのですが」


アダマンタイトリザードの皮はトカゲの皮なのにアダマンタイトの耐久力と性質を持った防具にするならアダマンタイトより便利な素材だからな欲しがるのも当然だろう。

報酬とかも結構良くして貰ってるし一体分ぐらいはここで売っちゃおうかな。


「一体分はここで売っていきます。もう一体は持ち帰りってことで」


「ありがとうございます」


妖術で頭を吹き飛ばした方を持ち帰ることにしてストレージに収納する。

解体ぐらいはタダでやらせていただきますよ?と言われたけど。ストレージの自動解体があるので、大丈夫ですと断った。


「これで何も気にせずにジュリアナさんのお母さんにご挨拶に行ける」


こう言うのって緊張するものなんだろうけど、何故か全く緊張しない。


ドワーフならお酒さえあればなんとかなる見ないなイメージがあるからかな?


「ここが私の実家、さあ入って。母さん〜可愛い娘が帰ってきたぞ〜」


「本当に可愛い娘は自分で可愛いって言わないよ。おかえりジュリー。それと君がヒロキくんだね?錬金術が恋人、子供はホムンクルスを私の遺伝子を使って誕生させるとか言ってたヤバい娘をもらってくれてありがとう」


ジュリアナさんってそんなマッドな感じだったの?


「そんなのもう昔の話だ。今はちゃんとヒロキくんとの子供がお腹にいるんだから。錬金術師としてホムンクルスは誕生させて見たいけど」


俺の挨拶を遮ってジュリアナさんがお母さんに反論する。ジュリアナさん的にも錬金術が恋人って言ってた時期は黒歴史なのかもしれない。

ホムンクルスかゲームには存在しなかったけど。生み出せちゃうのかな?


ジュリアナさんならやれる気がする。


「えっ!?もう子供できたの?この間結婚したって手紙が来たばっかりなのに?」


「それだけ相性が良いってことだよ」


お薬使って妊娠する確率上げてた気がしたけど黙っておこう。

仲が悪い訳じゃ無いし。


と言うか俺の挨拶が遮られてから喋れない…


「えっとご挨拶させて頂いてもよろしいでしょうか?」


「ごめんヒロキくん挨拶ぶった切ってそのままだった。じゃあ気を取り直してどうぞ」


ジュリアナさんそれはそれでやりにくいです。

特に面白いことを言う必要はない。普通に行こう普通に


「本当はもっと早くご挨拶に伺わなければ行けなかったのにこんなに遅くなってしまい申し訳ございませんでした。ヒロキです。あとこれつまらないものなのですが…」


普通結婚前に挨拶に来るもんだよな。

それなのに結婚どころか子供ができてから挨拶に来るって……

と言ってもこの世界ではこれでも問題ないらしいけど。


ウイスキー詰め合わせと作り方がのっている本を渡す。


「ヒロキくんにしか用意できない異世界のお酒だよ」


「異世界の酒!?」


ジュリアナさんのお母さんだしそこら辺は隠さないでいこうと事前に話し合ってたのでジュリアナさんが正直に異世界の酒と教える。


ジュリアナさんのお母さんが玄関であけて飲み始めようとしたのでジュリアナさんと2人で奥に連れていく。


玄関で飲み始めるのはどうこうではなくて、ドワーフなら微かな酒の匂いから飲んだことがない酒がある!って押し寄せて来そうだからだ。


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読んで頂きありがとうございます。

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