第158話

「結構脂っぽいのに全然くどくない。やっぱすごいなファイアードラゴンの肉」


テールスープの時も思ったけど、かなり油が多めな肉のはずなのに脂っこさを全く感じなのでいっぱい食べれる。

脂を落とすような調理をしなくてもいくらでも食べれる。

後、ファイアードラゴンの油は摂取するとお肌がつやつやになる効果があるらしい。

おかげでみんなお肌がツヤツヤしている。


「特にファイアードラゴンの肉を使ったチャーハン。ファイアードラゴンの油が米や他のー材料をコーティングしていてパラパラだしすごく美味しい。濃厚なコカコッコの卵を使ったおかげでファイアードラゴンの肉が一人勝ちって感じになってないのもポイントが高い」


ファイアードラゴンの肉は美味しいんだけど、他の食材と合わせるとファイアードラゴンの肉が強すぎてファイアードラゴンの肉の味しかしなくなっちゃうという欠点がある。

野菜炒めなのにファイアードラゴンの肉の味しかしなかったし。

ファイアードラゴンの肉に釣り合う野菜を使えばそんなこと無いんだろうけど、今のところそんな野菜の手がかりは存在しない。


けどコカコッコの卵を使うとファイアードラゴンの肉と他の食材のクッションになるのか。いい感じに他の食材の存在を消してしまうことなく料理として完成する。


コカコッコ従魔にしといてほんとに良かった。


カワサキがチャーシューに加工するって言ってたしチャーシューも楽しみにしておこう。


ー次の日ー


「そう言えばなんの魔物の異常種だったの?」


朝食を食べながらそう言えばなんの異常種だったのか聞いてなかったなと思ってカエデさんに質問してみる。


「あぁそう言えば言ってなかったね。今回の異常種は牛頭だったよ」


俺が前に倒した馬頭と一緒に地獄の門の門番をする鬼か…

なんか意味があったりするんだろうか?

と言うかアストのダンジョンには地獄要素なんて一切なかったと思うけどなんで牛頭に馬頭なんだろう。


別に深い意味はなくて、ただの偶然かもしれないけど。


「そう言えば牛頭が使っていた槍が手に入ったけど、プラムは使わないよね?」


そう言って刺股のように槍の刀身部分がU字上になっている槍を収納袋から取り出す。


「悪い槍では無いですけど、ヒロキ様からもらったネプチューンがありますので……」


サハギンの件の報酬としてもらった三つ又の槍ネプチューンは槍使いであるプラムに渡してある。

牛頭の槍もそれなりにいい物なんだろうけど、ネプチューンと比べたら玩具みたいなものだ。


「そう言えば馬頭の薙刀もストレージに死蔵してるんだよね」


使うことがあるかなって思ってとっておいたけど。このまま一生死蔵することになる気がする。


「こういうのはシエラに丸投げするのが1番確実だろう高く売りさばいてくれるだろう」


最近シエラさんにことある事に頼ってる気もするけどまぁシエラさんにも利益のある話がほとんどだったしいっか。


ー冒険者ギルドー


「と言う訳で槍を2本買い取ってください」


「何がと言う訳でなのかなったくわからないからちゃんと1から説明してください」


うーんダメだったか。シエラさんならこれでも伝わるかなって思ったんだけど。

仕方ない説明するか。


「単純な話牛頭と馬頭の槍を誰も使わないし売ってしまおうってことになったんですよ。それでその話をシエラさんにしに来ました」



「なるほどそう言うことですか。異常種が持っていた槍となればすぐに買い手がつきますよ」


「それと販売するのは身元がはっきりしている人でお願いします」


一応今は戦争中だからね。武器を売るのは少し気をつける必要があるだろう。


「それならこの際、王家に直接販売してしまいましょう。出来れば王都まで槍を運んでくれると嬉しいんですが……」


王都か〜俺が行くと色々引き止められそうなんだよな。

〈竜宮城〉にも行きたいし。


「メープさんとシエラさんがいれば盗賊とか余裕でしょう。槍を販売した金額の3割をシエラさん達に仲介量として渡しますので、シエラさんに全部お願いします」


「王都はいい所なんですけどね〜貴族や商会との付き合いばっかりで全然楽しめないんですよね」


「俺もそうなるのが目に見えてるんで行きたくないです」


「わかりました。サッと王家に槍を売りつけて、速攻で帰ってくることにします。メアに2人で騎乗して進めば時間も短縮できるでしょう」


馬車で行くとばっかり思っていたけど確かにメアに2人乗りって手段もあるか。

荷物は収納袋があるしな。

これはこれで疲れるだろうけど、移動時間は大幅に短縮できるだろう。


槍を2本シエラさんに渡してから〈竜宮城〉に向かうつもりだと伝えてから冒険者ギルドを後にする。


〈竜宮城〉まではアイギスに飛んでもらって数日かかる。


竜宮城は南国風の気候であるプルーム王国とは反対方向の年中雪が積もっている程の豪雪地帯にあるらしい。

寒いのはあんまり得意じゃないんだけどな〜

ダンジョンの中は寒くないことに期待するしかないか。



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読んで頂きありがとうございます。



新作投稿しました。現代ダンジョンものです。


地球「ファンタジーアップデートが適応されました」


https://kakuyomu.jp/works/16817330647913656484



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