第104話
「なるほど。それなら火焰草はこっちで用意しよう。話を聞く限り防衛戦にはかなり役に立ちそうだし。ただ、1回威力を直に見ておきたいから私も明日はダンジョンについて行って良いか?」
カワサキと一緒に作ったクレープを食べながら、火焰草の入手をアディルさんにお願いする。
こう言うお願い事は相手の機嫌がいい時にお願いするに限る。
「威力が見たいのは当然だと思うので良いんですけど、明日はジュリアナさんとアンデッド階層に行って毒素材を採集しに行く予定なのでアンデッド階層で大丈夫なら問題ないですよ」
爆発すると毒ガスを辺りに撒き散らす、毒爆弾の素材を採りに行こうって話してたんだよね。
アンデッド以外の生物にも攘夷弾タイプはかなりの効果を発揮するだろうけど。
毒の方が確実に殺れるだろう。
毒ガスまで使うってかなり危ない奴って思われるだろうけど。相手はアンデッドを使ってくる連中だ。用意できるものはなんだって用意しておいた方がいい。
まぁ、毒の中和剤もちゃんと用意してもらう予定だ。
「アンデッド階層か…私は問題ないけど。部下があんまり深い階層に潜るのは許してくれないんだよな…部下からOKが出たら明日ついて行くことにするよ」
そりゃ、この街のトップが危ない場所に行くなんてダメだって言われるのが普通だ。
しかも毒素材の採集に付き合うことになるなんて更に許可なんて降りないだろう。
採集に失敗したら毒をもらう可能性もあるんだから。
あっ、でもアディルさんって毒を無効化してくれる効果が付与された指輪してるんだっけ?
だからって毒はくらわない方がいいだろうし。やっぱり微妙かな。
「追加のクレープが来たみたいですし。話はここまでですね」
だいたい話すことは終わったし、クレープを食べるのに専念する。
「私はもう満足したし、もう良いかな。自分用の爆弾矢量産しておきたいから。爆裂ネズミの火薬貰って良い?」
ジュリアナさんは甘いものは好きだけど量はいらないタイプの人か。
ただ単におやつにボリュームたっぷりなクレープは重いだけかもしれないけど。
とりあえず、ジュリアナさんに爆裂ネズミの火薬を渡す。
追加のクレープを食べ終わった後、何もやることがなかったので仮眠をとることにした。
なんか重いと思って起きると、お腹の上でアイギスが丸くなって寝ていた。
いつの間にか帰ってきてたようだ。
「ちょうど良いやアイギスに相談があるんだけど…」
考えていた鱗が手に入るのかとか。残り湯を素材として活用してもいいかetc.....色々質問してみた。
「鱗は生え変わる時期が有るからそれが来たら全部くれるの?」
鱗は定期的に手に入りそうってわかったのは良かったけど、次の生え変わりは早くても数ヶ月後らしい。
後、残り湯を使うのは絶対にやだと言われた。
まぁ当然だな。誰だって嫌だって言うだろう。
ただ、唾液なら良いと言われた。残り湯と同レベルで嫌だって言うだろうって思うんだけど。
龍種からしたら唾液は武器と言うイメージが多いらしく。唾液はセーフと言うことらしい。
確かに強酸の唾液を飛ばして攻撃する龍種もいるし。使っていいって言うなら有難く使わせてもらおう。
たぶん唾液にもアンデッド浄化効果があるだろうし、どう使うかはちょっと考えないといけないだろうけど。
液体だから火薬に混ぜることはできないし、粘性が有るから聖水みたいにふりかけるのも向いてないだろう。
そこら辺に関してはジュリアナさんに相談すればいい案が出てくるかもしれない。
俺だと、粘度を更にあげて武器に塗って即席アンデッド特攻の武器にするぐらいしか使い方を思いつかない。
粘度を下げるよりはその方が効果を下げなくて済むだろうし。
薄めちゃったら効果が落ちちゃいそうだからね。
龍の唾液だから薄めた程度で効果が落ちたりしないかもしれないけど。
そこら辺も実験しないとダメだろう。
そうと決まれば爆弾矢を作ってるであろうジュリアナさんの部屋に行こう。
「ジュリアナさん今大丈夫ですか?」
声をだしながらドアをノックする。
入って良いよ〜と返事か返ってきたので遠慮なくドアをあける。
「アイギスが唾液を素材として提供してくれるらしいからちょっと実験しよう」
「唾液!?」
「龍種からしたら唾液は武器だから、良いんだって」
「そうなんだ…そもそもなんでそんな話に?」
「いや、残り湯を聖水的な使い方出来ないかなって思って相談してみたら残り湯は嫌だけど、唾液なら良いよって」
「その発想が怖い」
だってラノベだとドラゴンがお酒に使ってハブ酒じゃなくて龍酒を作ってたりしてたし。
そんな感じのノリでいけないかな〜って。
「えっ、唾液傷に塗っておけば傷も治る?」
リアル傷に唾つけとけば治る状態!?
でも、流石に他人の唾つけるのは嫌かな…
ジュリアナさんも嫌そうな顔してるもん。
「とりあえず、どう言う使い方をしたかったのか聞いていい?回復薬として使うつもりは無かったんだよね?」
どう言う使い方を考えていたのか説明して、
2人で色々実験することになった。
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