第100話

「タラスク以外は全スルーで来たから今日中にここまで来れたか」


アイギスに乗って移動したことによって一日で38階層まで到達することができた。

まだ、フィールド的には変わらず沼地だけど。

この階には爆裂ネズミと言う体内に火薬を生成する器官と保存する器官が備わった魔物がポップする。


爆裂ネズミから手に入る火薬を使えば錬金術でそこそこ威力のある爆弾を作れるのでできるだけ手に入れて起きたい。

出来ればジュリアナさんにお願いしたいけど

これ以上ジュリアナさんの仕事を増やすと過労死するレベルだと思うので、ジュリアナさんに信頼出来る錬金術師を紹介してもらうか。


爆弾系は制作に失敗すると大爆発を起こすので、爆発に恐れず制作してくれる人を探さなきゃ行けないからすぐには見つからないかもしれないけど。


「爆裂ネズミは自分の死をさとると自爆するし。必ず群れで行動しているから他のネズミも連鎖爆発を起こしてすごいことになるから、そうなる前に手早く全滅する必要がある」


群れの中の1匹でも倒されると逃げるんじゃなくて自爆することを選ぶからな。

倒すだけなら遠距離から少しでもダメージを当てれば勝手に自爆してくれるんだけど。

素材が欲しい場合は、群れ全体を同時に倒さないと、まだダメージ受けていない爆裂ネズミが自爆して素材が手に入らなくなってしまうので、難易度が上がる。


それと、当然火気厳禁。


「『氷槍乱舞』」


何個氷の槍を飛ばすとイメージするのではなく、大量の氷の槍を飛ばすとイメージした妖術なので、正確に何本の氷の槍が生成されているのか把握出来てないけど少なくとも100本ぐらいはあるかな?

その代わり普通に氷槍を使う時に比べて氷の槍のサイズが半分以下になっている。

爆裂ネズミなら問題ないだろう。

爆裂ネズミの上空から氷の槍の雨を降らせる。


それが終わったら爆裂ネズミを回収する。

これを繰り返して爆裂ネズミを沢山集めた。


本当は一体づつ解体をしないといけないけど、スマホのMP変換機能を使って解体せずに火薬を手に入れる。


爆裂ネズミの魔石と火薬以外をMPに変換するって思いながら爆裂ネズミの死体をMPに変換するだけなので簡単に火薬だけにすることができた。


想定された使い方じゃないけど、便利な使い方だ。

自動で解体してくれるスキルとか作ればもっと楽だろうけど、そのために神力を使うのはちょっと勿体なすぎる。


今日はこれぐらいにしておこうということで、ダンジョンを後にして帰宅した。


「ヒロキ様が76、パニー様は88ですね」


帰宅してすぐにサテツに鑑定をしてもらってキャラレベルを確認してもらう。


タラスクをいっぱい倒したのもあって一気にレベルが上がった。もう少しでパニーも初めての転生&転職ができるな。魔闘士にも転職できるだろう。


この間、自分の体術の師匠に久しぶりに会いに行ったパニーだったけど。

なんとその師匠、魔闘士だったらしく。

恐らく武闘家のジョブについた人が魔法を魔物にヒットさせると言うのが魔闘士に転職できるようになる条件だと教えてもらったらしい。


これも驚いたんだけど、スクロールを作ることができる錬金術師がジュリアナさん以外にも存在したらしい。


その方は数年前に老衰で亡くなってしまったらしいけど。

その人も魔法使いに目の敵にされるのを嫌って大々的に売り出すことはしなかったけど。

1部の知り合いのみに販売していたみたいだ。

パニーの師匠もその1人だったわけだ。


魔闘士になれたのは魔法を使ったことがあるぐらいしか、理由が無いのでスクロールを持っているなら問題なくなれるだろうという事だ。


師匠から魔闘士がどんなことが出来るようになるのか直接見せてもらったようで、レベル上げにかなり積極的だった。

転生の種も俺が用意できるってもう伝えてあるのでレベル99になったらすぐに魔闘士に転職するだろう。


「ジュリアナさんはどうしてる?」


「タラスクの皮を羊皮紙にするには解体から必要なので、1度ご自身のお宅にご帰宅されています。夕食前にはこちらに戻ってくるとは聞いていますので、そろそろ帰ってくるかと」


確かにこの家じゃタラスクの解体なんて出来ないよね。


「ただいま〜」


ちょうどいいタイミングでジュリアナさんが帰ってきた。


「ちょうど良かった。ジュリアナさん。信用出来て度胸のある錬金術師を紹介して欲しいんだけど」


「信用出来る錬金術師?まぁ、弟子が1人だけいるからその子を紹介することは出来るけど。なんで度胸が必要なの?」


「失敗すると爆発事故を起こすから」


「爆発って…何を作らせるつもり?」


「爆裂ネズミの火薬を使った爆弾。少しでも戦力アップになればと思ってね」


「なるほどね〜。あの子なら喜んで作ってくれると思うよ。私より錬金術で物を作るのが好きだし」


どうやらその人はジュリアナさんが基本この家に住んでいるから、基本空き家になってしまってるジュリアナさんの家に住んでいるらしい。ジュリアナさんが使っていた錬金術に使う設備が1部そのまま設置してあるらしく、それ目当てらしいけど。

ジュリアナさんもそのまま使わないのは勿体ないし。お金が取れるからちょうど良かったらしい。

今から会いに行くには遅い時間なので明日その人に会いに行くことになった。



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読んでいただきありがとうございます。



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