第83話
「こちらのツナギは防刃効果がある様です。ヒロキ様が既に使用されている衝撃吸収インナーと合わせると丁度良いのでは無いでしょうか」
ビキニアーマーなどの1部の防具と違ってこのツナギ…防刃ツナギって呼ぶことにしよう。
防刃ツナギと衝撃吸収インナーは重ね着してもどちらもしっかり効果を発揮してくれるタイプだ。
ちょっと思うところは有るけど、防刃効果以外にはサイズ調整機能しか無いみたいだからデメリットとかも無いみたいだし。
ダンジョンに行く時は着ていくことにしよう
はぁ、色が変えられれば文句はないんだけどな。
「そう言えば、クレイゴーレムから粘土を集めて来たよ」
玉鋼を作るために必要な素材の1つだし。サテツに報告しておいた方が良いだろうと思って報告しておく。
「これで本格的に玉鋼作りが始められますね。炭焼き窯を作るのにも必要だったので全く進めることが出来なかったので」
クレイゴーレムの粘土の加工に炭の制作ってなると軽く1ヶ月はかかると思うし、玉鋼を作ってヒヒイロカネ合金を作るのはまだまだ時間がかかりそうだ。
それに錬金術師は金属の精錬で大忙しだろうから、クレイゴーレムの粘土の加工にもいつもより時間がかかるあろうから、想像以上に時間がかかるかも。
「そう言えばヒロキくんは飛行ができる龍種をテイムするためにダンジョンに潜ってるんだっけ?」
もうどっか行ったのかな?って思っていたガネーシャ様が突然現れてそう話しかけてくる。
「そうですね。この調子だとレッサードレイクになるかな?って考えてます」
本当はもっと上位の龍種をテイムしたいと言う気持ちも有るけど。レッサードレイク以外の飛べる龍種が出てくるのは50階層より下なのでレッサードレイクで妥協しようと言うことになった。
進化の実でテイムしてから育ててあげるってこともできるし。
「でも、もっと上位の龍種をテイムしたいのが本音だよね?」
「まぁ、できるならですけどね。正直、上位の龍種との戦闘は命懸けになりますし。
今はレッサードレイクをテイムしてから育てて上位の龍種に進化させれば良いか気持ちの方が大きいです」
強い敵と戦うってことはそれなりのリスクを伴うからな。しかもテイムするためには怪我は少な目かつこちらの方が強いんだぞと分からせないといけない。
そう考えるとそこまで強くなくて戦闘経験もあるレッサードレイクをテイムして進化させる方が安全だし確実だと考えるようになった。
進化させても最大で龍種の中で中間程度の強さまでしかいけないけど。
龍種の中でという話なので魔物全体で考えればなかなかの強さを持ってるって言えるし。
「そっかー。ヒロキくんがそれで良いならいらない情報かもしれないけど。ここのダンジョンの35階層にはボロボロの廃城があってね。そこにある全ての燭台にロウソクをおいて火を灯すと龍種と戦える場所に転移できる魔法陣が出てくるよ」
ダンジョンに関してちょこちょこ情報収集してたけど初めて聞いた情報だ。
廃城に関しては聞いたことがあったけど。
特にギミックも存在せずなんの為に有るのかは現在調査中って聞いてたけど。
神様だし、嘘の情報ってことも無いだろう。
「教えていただきありがとうございます」
「気にしないで今回の宿代みたいなものだから。じゃあ私はそろそろ試練を待っている人を探す旅に戻るよ」
そう言って目の前から消えた。転移かな?
神様だしそれぐらい余裕か。
それにしても龍種に挑戦できる魔法陣か…
ガネーシャ様の言い方からしてレッサードレイクより相当上位の龍種がいるんだろうなその魔法陣の先には。
テイムするしないは別にしてどんな龍種がいるのかは気になるな。
テイムすることを考えずに殺す気で戦えば上位の龍種でもそれなりに善戦できるだろうし。
それと、俺に全く勝ち目がないならこの事をガネーシャ様は教えなかったんじゃないかな?とも思った。
「今更だけど、俺の知らない神の試練が存在するって事なんだよな……」
へ〜神の試練かってなんかあっさり受け入れていたけど。ハーレムクエストにはあんなギャンブルじみた神の試練は存在しなかった。
ハーレムクエストには九尾の狐、不死鳥、グガランナの三体の神獣の試練しか存在しなかった。
だけどこの世界ではもっと多くの試練が存在している。
それに……
「不死鳥様、人類が挑戦できる神の試練は1人1つですよね?」
俺はまだ神の試練自体に挑戦したことは無いけど。神の試練をクリアしたことで手に入るスキルを手に入れていると言うちょっと変わった状態だ。
見方によっては既に神の試練をクリアしていると言う判定でも可笑しくない。
ハーレムクエストだと1人につき1つの神の試練しか受けれなかったけど。
ガネーシャ様の試練も受けちゃってるよね俺。
「基本はな。ただ、いくつかの神の試練は何度でも受けることが出来る。ガネーシャの試練などその筆頭だな」
どうやらこの世界は神の試練にも色々種類があるみたいだ。
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