第74話
「ボーンワイバーンとワイバーンゾンビが一体づつにポイズンワイバーンが2体か…それにしてもワイバーン同士でナワバリ争いでもしてるのか?」
ワイバーンがいたのは想定通りだったんだけど。アンデッドなワイバーンとポイズンワイバーンが2対2で戦闘をしていた。
一見漁夫の利出来そうではあるけど。
正直めんどくさいことになった。
アンデッドなワイバーン達に攻撃されたポイズンワイバーンはあちこちに傷を作り辺りに毒を撒き散らしている状態なのだ。
このままだと辺り一体に毒が充満してしまうことになる。
「この距離から攻撃するのはさすがに無理かな。結構高速で動いてるし」
ワイバーン同士でドックファイトしているところに魔法やら妖術やら飛び道具やらで攻撃するにはまだ距離が離れすぎている。
狙いを定めず乱射すれば当たりはするだろうけど魔力がもったいない。
だからと言ってこれ以上近づくとポイズンワイバーンの毒を貰うことになるので近づけない。
地面にはかなりの量の血がばらまかれている。
ここから先はかなりの猛毒ゾーンになっているはずだ。
先に進む魔法陣はこの先にあるからワイバーン達をどうにかした後、毒もどうにかしないといけないんだよね。どうしよう?
アンチトードは生物に対してしか効果は無いので、空気中の毒を解毒したりすることはできない。
「とりあえず倒すか。パニーはターンアンデッドの準備をお願い。『影法師』」
影法師で分身を作り出してワイバーン達に接近させる。
分身には毒聞かないからな。因みにワイバーン同士の戦いはアンデッドなワイバーン達が圧倒的に優位な感じだ。
アンデッドだからポイズンワイバーンの1番の武器である毒が聞かないからね。
アンデッドでも聞くような毒も存在はするだろうけど。
ポイズンワイバーンごときの毒ではダメみたいだ。
分身たちがワイバーン達がドックファイトしている真下に到着したので攻撃を開始させる。
アンデッドなワイバーン達はすぐに倒す必要は無いのでポイズンワイバーン優先で攻撃させる。
もう傷だらけなので外傷を与えないとか妖術でドンドン攻撃させる。
アンデッドなワイバーンたちの攻撃でかなり弱っていたようで、特に急所に当たったという訳でもないのに数発被弾しただけで地面に墜落して動かなくなった。
ボーンワイバーンとワイバーンゾンビはナワバリ争いの邪魔をされたと判断したのか怒り狂って分身達を攻撃している。
ボーンワイバーンはファイアーブレスを吐いてるけどどういう原理で吐いてるんだろう。
骨しかないのに。
ボーンワイバーンのブレスで分身達は消えてしまう。
まだこっちには気づいていないみたいなので適当に妖術を撃ってこちらの存在を気づかせる。
まだ怒りは治まっていないようで、かなりの勢いでこちらに向かってくる。
「『ターンアンデッド』」
パニーはターンアンデッドの有効射程に入った瞬間ターンアンデッドを発動。
アンデッドなワイバーン達は悲鳴をあげてのたうちまわる。当然、飛行状態を維持することができるわけもなく、地面に墜落する。
やっぱりアンデッドは弱点がハッキリしすぎててそこをつけば楽勝だね。
アンデッドなワイバーン達は一撃で浄化されることは無かったが。
警戒しているのか一直線に突っ込んで来ることはやめ。その場でこちらを睨んでいる。
戦闘中、攻撃されているのにその場に止まってしまうってかなり悪手だと思うよ?
「『ターンアンデッド』ヒロキはなんで見てるだけなの!?」
クールタイムがあけた瞬間追加のターンアンデッドがアンデッドなワイバーン達を襲う。
「折角ならパニー1人で倒して貰おうかなって。アンデッドなワイバーンを1人で倒したって冒険者ギルドに報告したらパニーもランク貰えるかもよ?」
2回目のターンアンデッドをくらったアンデッドなワイバーン達は倒れてはいないが、立ってるのがギリギリって感じだし。
パニーは数年間ここのダンジョンで稼いで生活しているみたいだし。性格面では問題ないって判定貰ってそうだし。
後は実力を証明すれはランクを貰えそうな気がする。
この間に毒の後処理をどうするか考えとかないと。
「そうかもしれないけど。どうやって倒したか説明する必要が出てくるし。そうなると面倒よ?この指輪も説明する必要が出てくるから確実に騒ぎになるし」
そっか。魔法職以外のジョブでも魔法が使えるようになる装備なんて絶対騒ぎになるし。
かと言ってどうやって倒したか説明する必要があるだろうし。
そうなったら指輪のこと絶対説明しなきゃダメだよね。
「今回は俺が倒したって勝手に思ってもらおう」
男なら、ほとんどのスキルを覚えられるし、光魔法も習得してたって納得してもらえるだろう。
「『ターンアンデッド』」
3回目のターンアンデッドがアンデッドなワイバーン達に当たると悲鳴をあげて紫色の煙が体から吹き出す。
2体とも倒れ伏してそのまま動かなくなった。
こっからあと片付けが大変だな〜と思いながら行動をはじめる。
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