第69話
壊すことは出来なくてもMPも変換しちゃうことは出来るんじゃないか?
もうこれしか処分方法は存在しないだろうとストレージに収納してMPに変換しようとしたらMP変換不可となっていて変換することが出来なかった。
どんなゴミでもMPに変換できたのになんで呪いの装備は手放すことが出来ませんってか!?
「ヒロキよ、そんなに取り乱すな。神獣としてはあまりこの世界の情報について教えるのは良くない行為では有るのだが。まぁ、良いか。死霊王シリーズはあるアイテムを使って浄化することで大天使シリーズという聖なる装備品に生まれ変わる。まぁ簡単に出来ることでは無いが、火之迦具土神様もヒロキなら可能だろうと思ってあえて消し炭にしなかったんだろう」
不死鳥様的には俺たちが自分で調べてたどり着いて欲しい感じなんだな。
まぁ、神獣だし俺らよりこの世界について当然詳しいだろう。
ある意味攻略本みたいな存在だ。
俺としても最初っから攻略本片手にゲームやるのは好きじゃない。
使うのは本当に行き詰まった時ぐらいでいいだろう。
そう言う割には九尾の狐様から色々教えて貰っちゃってる気もするけど……。
何でもかんでも聞いてる訳じゃないしOKってことで。
それにしても大天使シリーズ?そんなの初めて聞……いや待てよ?確か、天使なんて種族無いのに、物語とかに出てくる天使みたいな真っ白な羽を生やして飛ぶプレーヤーがいるって話題になった気が……
何かアイテム効果なのか?隠しクエストがあってそれをクリアすると種族を天使に変えることが出来るようになるのか?等色々検証されたはずだけど結局わからずじまいだったはずだ。
死霊王シリーズを浄化させた大天使シリーズの内どれかを持っていたということだったのか。
それにしても、浄化するために必要なアイテムってのが相当レアで入手が難しいんだろうな。
ハーレムクエストのプレーヤーがその1人以外全員たどり着けなかったアイテムってことだろうし。
「そのアイテムが見つかるまで俺が死蔵しておけってことね」
あんな禍々しいものをストレージの中とは言え持ち歩かなきゃいけないって正直嫌だけど、大天使シリーズ一体どんな効果があるのか気になるし。
「そういえば。まだスキルの宝珠を渡してなかったですね」
渡そうと思ったらアンデットの大群が現れちゃったからね。
しっかりラインハルト殿下に渡しておく。
それにしても、今回の件のせいでラインハルト殿下は明日の朝イチで王都にトンボ帰りだろうな。
後でどの魔物がどんなスキルの宝珠をドロップするのか簡単に書いて明日渡すか。
それなら、どの魔物を倒しに行くべきか計画も立てやすいだろうし。
今日も色々起きてもう疲れたので少し早いけどもう寝ることにした。
ー次の日ー
「ラインハルト殿下。王都までお気をつけてお帰りください。後、どの魔物を倒しに行くか良ければコレを参考にしてください」
結局あの後何もする気にならなかったので朝起きてから超特急で仕上げたどの魔物がどんなスキルの宝珠をドロップするのかまとめた紙束を渡す。
この世界では男が魔物を倒そうとすることはまず無いので、どの魔物を倒せば自分の欲しいスキルの宝珠がドロップするのか全く知られてなかった。
なので一見ただの紙束だけど。下手すれば宝物庫行きレベルの物だったりする。
何が書いてあるのか気になってペラペラっとめくったラインハルト殿下が驚いて固まっている。
「あとこの指輪もつけてるだけで腕力が2倍になります」
なにも装飾がされてない淡い水色の指輪を渡す。
もちろん、コバルト合金で作られた指輪だ。
性能は完全にコバルトの上位互換。
付与される効果も倍率上昇系は2倍~2.5倍。
そのほかの効果も軒並み高くなっている。
ラインハルト殿下は槍を使う武術を鍛えているみたいだから腕力上昇も有効活用してくれるだろう。
「昨日あったばかりの私になぜここまでしてくれるのですか?」
「数少ない男仲間ですからね。応援してあげたくなっちゃったんですよ」
純粋に強くなりたいって感じだったし。
もちろん王族と仲良くしておくという下心もあるけど。
「有難うございます師匠!次お会いする時は師匠を驚かせられるように強くなります。王都に訪れて際はぜひ王城にお越しください」
そう言い残してワイバーンで王都に帰って行った。
「じゃあ、俺達もやることやりますか」
「今日の午後にドワーフの採掘集団が到着する予定だから。ストーンアントの巣の制圧頼んだよ」
今日は先に進むのでは無く、7階層でストーンアントの巣の殲滅だ。
当然ラインハルト殿下に渡した分だけじゃないくて、俺たちの分のコバルト合金の装備品を用意してある。未完成品ではあるけどヒヒイロカネ合金の装備品も作ってもらってある。
ストーンアント相手じゃ効果を実感する程ちゃんとした戦闘にはならないだろうけど。
ストーンアントの巣から宝箱見つかると良いな〜と思いながらダンジョンに向かった。
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