第70話
「雷の篭手か」
ササッと1つ目の巣を殲滅したけど、鉱脈も宝箱も無いハズレ。
気を取り直して2つ目の巣を殲滅すると宝箱を発見することができた。
宝箱の中身は雷の篭手という拳での攻撃に雷属性を追加するという効果がついている。
あとは特殊なスキルを1つ使えるようになるんだっけ?
確か魔力を消費して雷の剣を作り出すスキルだっけ。
悪い装備品じゃないんだろうけど。俺たちの中じゃ使う人いないかな?
「魔力を消費して何度も作れるんなら、使う度に武器をダメにしちゃうあの技を使う時に役に立つんじゃないの?」
確かになんで思いつかなかったんだろう。
早速篭手を装備する。
なんの金属と皮を使って作られた篭手なのか全く分からないけど。装備した瞬間サイズが自動調整される。
ダンジョンで手に入った装備品の特徴の1つだな。
サイズ調整機能がなきゃ、せっかく手に入れたのに装備できないってことが頻発しただろうから、この機能をつけてくれた存在に感謝しないと。
雷の篭手に剣を生み出せと念じながら魔力を流すとビームサーベルっぽい剣が目の前に現れる。
剣を手に持って早速、爪斬撃系を試してみる。
結果、雷の剣では同じ雷系の雷狐・爪斬撃しか使うことが出来なかった。
逆に言うと雷狐・爪斬撃は武器を壊さずに使うことが出来るようになった。
手刀で虚空斬りも使えることは昨日発見したけど。手刀の分間合いが短くなるので、今回の篭手は大当たりだったと言える。
最初はハズレっぽい言い方してほんとに申し訳ない。
それにこの篭手、雷属性だけじゃなくて他の属性の物もあったはず。
それが手に入れば他の属性の爪斬撃も武器の消費なしで使えるようになる。
レアな部類だからいつ手に入るか分からないけど、手に入る機会があったら必ず手に入れるようにしよう。
指輪している上からでも普通に装着できたから、外して弱体化することも無い。
寧ろ指輪を隠せるしいい事だらけだな良く考えれば。
何度でも言うけどなんで俺は最初この篭手をハズレ判定をしたんだろう。
マジで神装備。
と言うかよく良く考えれば初めてのまともな装備なんだよね。
いつも戦闘する時はMP交換で交換したツナギ着て戦ってるから。
今まで防御力ゼロの服で戦ってきた訳だけど。そろそろちゃんとした防具を用意するべきかな。
「そろそろ外に出て制圧終わったって知らせないと」
いつまでもストーンアントの巣の中にいてもやること無いので巣から出て妖術で花火を打ち上げて制圧が終わったと採掘班に知らせる。
採掘班が来るまでゆっくり待っているとドワーフの集団がこっちに歩いてくる。
1個目がハズレだったから1個目の場所に来た採掘班が来ると思ってたんだけど。
もしかしてアディルさんが言っていた外から来るドワーフの採掘集団の方たちかな。
「アンタがヒロキって男か?」
「はいそうです」
「じゃあ、早速案内しろ。私たちはミスリルが手に入るって聞いてここまで来てるんだ」
早くミスリルを掘らせろって感じだな。
さっさと案内した方が良さそうだ。
「分かりました。でも確実にミスリル鉱脈があるかは分からないですよ」
なんの金属鉱脈があるかランダムだし、ない事だって有るし。
大丈夫かなこの人たちこの巣にミスリル鉱脈が無かったらキレて暴れ出さない?
「そんなことわかってる。ストーンアントの巣を殲滅した程度でミスリルが確実に手に入るならこの世界にはミスリルの装備がもっと存在するからね」
まぁ、普通は割に合わないからストーンアントに手を出さないだけで、人数集めれば殲滅できるだろうしな。
ちゃんと理性的なところもあるみたいで安心した。
ドワーフ一行を連れてもう一度巣の中に入る。
「ほう。ミスリルじゃないけど属性鋼の鉱脈じゃないか」
属性鋼?聞いたことない金属だ。
「属性鋼ですか?」
「ミスリルほどでは無いけどレアな金属で、属性を纏った金属だよ。この金属を使えば魔法が使えなくても属性攻撃を使えるようになるから。武器に加工するならミスリルよりも人気だったりする。アンタの篭手も雷の属性鋼を使った物だろう?なのに知らなかったのか?」
なんか黄色っぽい金属が使われてるなと思ってたらこれが属性鋼なのか。
ハーレムクエストにはこの篭手は存在してたけど。自作は出来ないし、なにを素材に作られているものかわからなかったけど。
この世界に来て分かることになるとは。
……腕のいい鍛冶屋がいれば属性鋼があれば自作出来るのか?
属性鋼を使った篭手はできるだろうけど。
魔力を消費して属性剣を作れる能力が使えるのかは微妙かな。
「コレはダンジョンの宝箱で手に入れたんですよ。雷の剣を作れたり面白い篭手だなって思ってたんですけど。雷の属性鋼を使ってたからなんですね。ちなみに雷の属性鋼があれば鍛冶師にも同じもの作れると思いますか?」
ドワーフだしそこら辺詳しそうなので聞いてみる。
「属性鋼を使った篭手は作れるけど。魔力を流したら剣が作れるなんて効果まで再現するのは無理だろうね」
残念だけど仕方ないね。あったら嬉しいけど無くても別に問題ないし。
宝箱から出たらラッキーぐらいの気持ちでいこう。
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