エロゲー世界に転移したけど、魔法が使えることが楽しすぎるので恋愛とか考えずに最強を目指す。〜女性の誘惑には勝てなかったよ〜

第53話

「ねぇほんとにストーンアントにちょっかいかけるの？」

家に残った人の面倒はサテツ達コボルトに任せてパニーと二人でダンジョンに来ている。

6階層は５階層までとほぼ変わりないのでスムーズに通過した。

7階層からは草原を歩いていると偶に半径2mぐらいの大穴が開いているのを見つけることができる。

この穴はストーンアントと言う岩のように硬い外骨格を持った全長30センチぐらいのアリの巣だ。

単体で考えれば、低レベルの冒険者でも倒せるぐらい弱い魔物だけど。

数が多いい。1つの巣に約5000匹はいると言われていて、1度手を出すと全てのストーンアントの相手をすることになる。

まさに数は正義。

巣に手を出さなければ戦闘になることは無いと言うのがせめてもの救いだ。

だけど殲滅すれば5000SPを稼げるという事でもあるので、襲撃しようということだ。

パニーは絶対やばいからやめようってさっきからずっと言っているけど。

俺だって自分から巣の中に入って正面から戦う気はない。

「『影法師』『土壁』」

影法師を使って自分の分身を2体だして巣に向かわせる。分身が巣の中に入ったのを確認してから土壁で入口に蓋をする。

九尾の狐は影法師一体じゃなくて複数体作り出せるって聞いて、自分でも試してみたら。

自分を透明化させないなら2体作り出すことができることがわかった。

妖術を使えないただの囮として作り出すなら

そこまで魔力を消費しないけど、2体とも妖術を使えるようにするには今の俺の魔力の八割を消費する必要がある。

使い道はないかなって思ってたけど。巣に突入させて妖術をブッパして数を減らしてもらう。って使い方をするには割と便利だ。

入口を土壁で塞いでるから俺が直接戦う必要は無い。

影法師はロボットみたいに行動をプログラミングしないといけない。

今回は魔物と遭遇したら妖術をブッパしろという簡単なプログラミングでいいので楽で良かった。

このプログラミングの内容によっては更に消費魔力が増えるので、簡単に済んでほんとに良かった。

中級の魔力回復ポーションを飲んで魔力を回復しておく。

影法師2体だけで5000体を倒し切れるとは思わないので影法師が倒されたら直ぐに新しい影法師を作れるようにスタンバイしておく。

影法師は視界共有もできるので俺は中の様子も確認できるけど中の様子を確認することができないパニーはソワソワしている。

と言うか巣穴の中は真っ暗なはずなのにどうして俺は普通に見えてるんだろう？

影から生み出した分身だから暗視能力があるとか？

良くよく考えたらこの能力がなければ、この作戦失敗してたよな。

ラッキーって思っておこう。

「やっぱり分身に集まっているから巣の外に出て来ようとするストーンアントはいないな」

巣の中から土壁を攻撃するような音は聞こえない。

ストーンアントは分身の方に殺到しているようだ。

〜数時間後〜

「どうやら倒しきったみたいだ」

ランタンに火をつけて巣穴の中に侵入していく。

ストレージに収納する作業は分身に代行させることは出来ないので、パニーと一緒に巣穴の中に入っていく。

分身を襲ってくるストーンアントがいなくなったので、大丈夫だとは思うけど念の為、気配察知のスキルを持っているパニーがいればストーンアントの生き残りがいても問題ない。

巣穴の回収を終わってからなん体いたのかストレージの入っているものリストで確かめると約5,800匹分の死体が収納されていた。

これでスキルを取り放題だな。

【魔力操作Lv9→10】

【魔力量上昇Lv6→10】

【雷魔法Lv1→Lv4】

【思考加速Lv2】

一気にスキルを強化した。

雷魔法はLv4で瞬雷という全身に雷を纏って素早さを極端に上昇させることができる魔法を習得できる。

まぁ、単体だと早すぎるせいで制御できなからカクカクした動きしかできないけど。

思考加速のLvをあげると早さに対応できるようになって繊細な動きを瞬雷中にもできるようになる。

武術がなくても速度で圧倒すれば近接戦闘も何とかなるのでは？と思って取得した。

「こんなところに宝箱か」

ストーンアントの死体の山をストレージに収納すると死体の山に埋もれていた宝箱が顔をだした。

「ストーンアントの殲滅は難易度が高い分巣穴の奥には宝箱があるって聞いたことがあったけど。本当だったのね」

確かに5000体以上のストーンアントを殲滅するなんて大変だろう。

俺はSPが手に入るからストーンアントの相手をするメリットがあったけど。

ほかの冒険者からしたらメリット無いもんな宝箱ぐらいなきゃ。

罠を警戒して自分たちは宝箱から離れて影法師で作りだした分身に宝箱を開けさせる。

今回は特に罠は無かったようだ。

宝箱に近づいて中を覗くと、銀色の桃が中に入っていた。

念の為触れずにストレージに仕舞って名前を確認すると進化の実と表示されていた。

サテツ達魔物を進化させることができるレアな実だったはずだ。

想像以上にあたりの中身だったことにストーンアントの巣は全部殲滅して行こうかな？

と思わず考えてしまった。

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