第44話
「何処も彼処もお祭り騒ぎですね」
街を歩くと至る所でお祭り騒ぎになっている。
馬頭の討伐がそれだけ目出度いことだったということだろうか。
「普通馬頭の異常種なんて現れたら街が半壊するのが普通。そんな存在が現れたのに街に一切被害が出なかったから」
みんな喜んでお祭り騒ぎってわけか。
まぁ、みんな騒ぐのに夢中で男の俺が歩いていても獲物を見つけた猛獣の目で見つめられないので割と歩きやすい。
「まぁ、役に立ったんなら今日何となくだけど。ダンジョンに向かって良かったなって思います」
レッサードラグーンより強い馬頭を倒して少しレベルが上がって49まで上がったし。パニーに会えたし。
と言うか転生を繰り返すと本当にレベルが上がりにくくなるな。
早く10回までは行きたいんだけど。
まだ転生回数3回だからな。
まだまだ中途半端だ。
でもパニーを仲間に受け入れた関係上まずはパニーの強化が先だよな。
俺よりキャラLvが低いはずだからね。
コバルト製の装飾品をつけるだけで相当強くなると思うけど。
後はレアなジョブにつかせるとかか。
ハーレムクエストは女性キャラは全てNPCだから詳しく分からないけど。少し試したいことが有るんだよね。
魔闘士とか魔剣使いってジョブ知ってる?ってカエデさんに聞いてみたら。知らないって言われた。
ダンジョンの宝箱から出てくる特定の魔法が使える剣、魔剣を使う剣士のことを魔剣使いとは言うけど…と返事が返ってきた。
ハーレムクエストには魔闘士、とか魔剣使いってジョブを取得したNPCが存在した。
この世界でもジョブとして存在する気がするんだよね。
もしそのジョブが存在すればカエデさんたちが強くなる助けになる。
ただ転職は転生のタイミングでしか行えない。
既に10回転生しているカエデさんがまたレベルMAXまであげるのはめっちゃ大変な筈。
「ヒロキくん着いたよ」
「お店…ですか?」
外装は普通の民家に見える。
「普通にお店をやるとお客さんが多すぎるから。目立たないようにしてるんだよ。更に一見さんはお断りのお店だからね」
スライムを売ってる一見さんお断りのお店?
なんのお店なのか訳分からなくなってきたな。
ジョブについて考えている間に謎のお店に到着する。
カエデさんはなんの躊躇いもなくドアを開けて中に入っていく。
置いて行かれるわけには行かないので家の中に入っていく。
「おーい。ジュリアナ。スライム買いに来たぞー」
リビングらしき場所でカエデさんが大声でジュリアナさんというこの家の住人に声をかけている。
ドタドタと階段を降りる音が聞こえてくる。
「いや、なんでスライムをわざわざ私のお店に買いに来るんだよ。これでもマスターアルケミストなんだぞ?スライムなんてそこら辺のひよっこ錬金術師のお店で買えばいいだろう」
2階から現れたのは褐色幼女だった。ちなみに巨乳。
ほんとに幼女って訳じゃなくておそらくドワーフだな。
ハーレムクエストのドワーフはみんな褐色幼女で大きくての少女だった。
「そんなこと言うなよ。お前のために私がどれだけ素材を集めて来てあげたか忘れたのか?」
「そう言われると断れないけど。今は馬頭の蹄を手に入れるために急いでるんだ」
蹄は錬金術の素材だったな。確かエナジードリンクの素材だったな。
1回飲んだけど。地球のエナジードリンクよりめっちゃ効果があって飲むだけで疲れが吹き飛ぶ飲み物だったな。
美味しくはなかったけど。
「それなら心配ない今回馬頭を倒したのはこのヒロキくんだから、ヒロキくんに一筆書いて貰えば焦らなくても蹄を買えるだろう。それにスライムを1匹買うだけだからそんなに時間もかからないだろ?」
そんなことよりなんでスライムを売ってるのが錬金術師なんだろう?
急いでる見たいだし、今聞くのはやめておいた方がいいかな。
いや…待てよ?
この人すごい錬金術師なんだよね?
ちょうど探してたんだよね。状態異常回復ポーションを俺の知ってるレシピで作ってくれるかもしれない錬金術師を。
「ジュリアナさん突然なんですけど俺の知ってるレシピで状態異常回復ポーションを作ってみて欲しいですよ」
一言も喋ってなかったのに、突然喋るし。話した内容がアホすぎてはぁ?て顔をジュリアナさんはしてる。
まぁ当然だよな。状態異常回復ポーションはレシピが失伝してるらしいし。
「と言っても俺が知ってる状態異常回復ポーションのレシピはこの世界のレシピではありません」
正直にハーレムクエストの話をする。
「つまり君は、神がこの世界を創造する時に参考にしたハーレムクエストという世界の知識を持っていて、その中に状態異常回復ポーションの知識も存在していると?」
「まぁ、簡単に言うとそういうことです」
ハーレムクエストがゲームってところまで説明を始めると面倒なことになるのでそこは説明していない。
「本来だったら信じられる話じゃないんだけど、不死鳥様が否定しないってことは嘘ではないんだね…」
神獣様の存在まじ便利。
「でだ。状態異常回復ポーションのレシピを教えてくれるとして、君は私に何を望むんだい?」
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読んでいただきありがとうございます。
m(_ _)m
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