第37話
「いくら最弱の龍種って言っても龍種その龍種の半身を焼失させるなんて。どんな火力してるんですか?」
レッサードラグーンの死体を見た受付嬢さんはそう言ってドン引きする。
「まぁ、本来は最初から従魔達と戦う予定だったのに序盤は1人で戦うことになったりとか想定外のことが起きたので死なないために必死だったんですよ」
サテツ達が来てくれるまでは本気で死にかけたからな。
「ところでコレ、いくらになりますか?」
「まぁ、半分無くなっているわけだし、もの凄い熱量のせいで残りの部分の品質も劣化しているから……1000万マネーぐらいかな」
品質落ちた状態でそれなら問題ないか。
「まぁ、受付嬢さんの言う通り。素材の質が低いし1000万マネーするだけマシかな。因みにいつになったらそのお金受け取れますか?」
無一文にはいつお金が手に入るかは重要な情報だからな。
「ピッタリ1000万マネーって訳じゃないし。部位ごとに確認して正式な買取額を決めるから。2日ぐらいは待って欲しいかな」
それなりに大金だし2日ならまだ早いほうかな。
「わかりました。なら明後日以降暇な時に顔をだします」
レッサードラグーンの売却代金が手に入るまではカエデさんに立て替えて貰おう。
「それでは、冒険者ギルドもこれから忙しいでしょうし。そろそろ次の場所に行きましょうか」
さすがにこれ以上やることはないと思うので冒険者ギルドを後にした。
「それじゃあ優先度的に次は泊まる場所の確保かな。ヒロキ君もそれで良い?」
「問題ないですよ。泊まる場所の確保は重要ですからね」
正直、冒険者ギルドに行くより先でも良かったレベル。
「因みに宿を取るより。家を借りちゃおうと思うんだけど」
おお、個人的にはそっちの方が助かるな。
「それなら鍛冶場があるような家とか借りれないですかね?例の指輪みたいな装備を作れる環境があると助かるんで」
付与がランダムだから出来るだけ数を作っていい付与の装備を用意しておきたい。
「鍛冶師が住んでた家とか昔、鍛冶屋だった家が貸し出ししてれば借りれるけど。
まぁ、確認はしてみるけど。確率はそんなに高くないと思うよ」
まぁ、鍛冶場が付いてる家なんて普通貸したりしてないよな。
「まぁ、あったらラッキーぐらいで」
「それじゃあ、私は商人ギルドに行ってみるけど。どうする一緒に来る?1人で街を歩く場合、女に襲われるだろうけど」
一緒にいた方が安全だよな。でも暇だし。
ダンジョン入って見たいんだよね。
「ちょっとダンジョン行ってみようかな…」
「それならこのままこの道をまっすぐ進んでいくと街の中なのに壁に囲まれている場所がある。そこにダンジョンがあるよ」
ダンジョンの場所を教えて貰ったので早速向かおうって思ったけど。合流方法が無くね?と思い出す。
パーティー編成を使ってパーティーに入ってもらえば念話が使える。
これなら後から合流することも可能かな?
と言ってもパーティー加入ってどう言う基準で可能になるんだろう?
普通に出来るのかな?
パーティー編成画面を確認してみるけど、パーティー編成画面にカエデさんの名前はなかった。
とりあえずカエデさんにパーティー編成について説明する。
「そんなスキルも持ってるんだ。で、とりあえずパーティーに加入したいって思って欲しいと?」
カエデさんにパーティーを組みたいって思ってもらえば上手く行くかなってとりあえず、加入したいって思って貰ってみる。
「おっ。追加出来るようになった」
割と簡単な方法でパーティーに加入させれるようになった。まぁ加入条件が難しくても困るけど。
(あーあー聞こえてますか?カエデさん)
カエデさんに念話を使う。
「頭の中からヒロキ君の声が!」
「俺に声を届けるって念じながら頭の中で会話内容を思い浮かべればカエデさんからも念話をすることができますよ」
(コレでいいの?)
(ちゃんと聞こえてますよ)
「念話の実験は終わりにして、ダンジョンから帰ってきたあとどこで合流するかとか何か案ありませんか?」
「案も何もさっきまでいた冒険者ギルド以外に候補が無いんじゃない。ヒロキ君そこ以外まだ行ったこと無いんだし」
カエデさんの言う通りだな。冒険者ギルド以外に場所知ってるところないや。
「それじゃあ、ダンジョンから帰るってなったら念話で連絡します」
その後冒険者ギルド前で待ち合わせってことにすればすんなり合流できるかな。
「じゃあダンジョン楽しんで来てね。このダンジョンはトラップが一切無い代わりに魔物が強めなところだからヒロキ君でも楽しめると思うよ。泊まるところもしっかり確保しておくから」
龍種がいるダンジョンって聞いてたから強めの魔物が出てくるのは何となく予想がでてきてけど。トラップがないってのは朗報だ。
罠感知のスキルの獲得もしないと行けないかな?って思ってたけど。その必要が無くなるからね。
後々のことを考えると罠感知のスキルを取得した方が良いかもとは思ってるけど。
妖術のおかげで攻撃系のスキルは今すぐ取得する必要ないし。
こうしてカエデさんと別れてダンジョンに向かうことにした。
威圧感のあるサテツがお供にいたので、特に女性に絡まれる事無くダンジョンに到着することができた。
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読んでいただきありがとうございます。
m(_ _)m
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