第16話

「シャンプーとは凄いものですね。まるで光魔法のピュリフィケーションと同じぐらい綺麗になってます。それにピュリフィケーションにはできない、毛や皮膚の保湿することが出来るなんて」


全身の毛がフサフサになったコボルトスミスのサテツが嬉しそうにそう言う。

全身に毛が生えてるのでボディソープは使わず全身犬猫用のリンスインシャンプーで洗った。


それと洗ってあげている途中にハンゾウみたいに名前が欲しいと言われたのでみんなにもつけてあげた。

サテツとハンゾウ以外の名前もそのうちサラッと出てくると思う。


光魔法のピュリフィケーションとは汚れとかアンデット系を浄化つまり綺麗さっぱり消してしまう魔法だ。

ゲームの時はアンデットの浄化にしか使わなかったからすっかり汚れも綺麗にできる効果を忘れてた。

ゲームのプレーヤーは汚れないからね。

こうなると光魔法のスキルを早めに取得しておくべきかな。


この世界だと基本は水浴びで綺麗にして、数日に1回、光魔法使いってジョブについた人がやってる浄化屋ってお店でピュリフィケーションをかけてもらって綺麗にしているらしい。


これでそれなりに清潔に保てるらしい。

それもあってこの世界では石鹸すら開発されてないらしい。

泡の実っていう砕いて水をかけると泡立つ実があるので水浴びの時にそれを使うことはあるけど、水だけで洗うよりは少しマシ程度の効果しか無いみたい。


泡の実なんてものはハーレムクエストには存在しなかった。

やっぱりこの世界独自のものも存在するのかとテンションが上がる。



ただし現代日本のシャンプーは汚れも綺麗にする以外にも効果があったりするから、ただ綺麗にするだけのピュリフィケーションより

凄いとサテツが興奮していた訳だ。


需要ないかもしれないけど自作で石鹸でも作ろうかな?

簡単なものだからピュリフィケーションみたいに完璧に綺麗には出来ないだろうけど。

ピュリフィケーションより安い値段で売れば売れるかな?


商売する必要があるか謎だし。身内だけならMP交換で交換した日本産のボディソープとシャンプーを使えば良い訳だし。

まだ、石鹸作りを始める必要はないか。


「ですがこれを1度経験してしまうと、シャンプーの無い生活など考えられませんね。

異世界の物となるとやはり貴重なのですか?」


全身に毛が生えてるコボルトの本能的に毛がつやつやサラサラになるシャンプーは是非とも使いたいけど。

異世界の物と聞いて手に入れる難易度が凄い高いんじゃないか?と思っているようだ。

実際は1匹1,300MPのロックリザード2、3匹で1本交換できるからそこまで高価って感じでは無い。


まぁ、身長180cmあってしかも全身に毛が生えているサテツは1回で容器の3分の1ぐらい消費するけど。

気になるならそこら辺でロックリザードを狩って持ってきてくれれば良いし。

そこまで気にしなくていいと説明すると。

コボルトたち全員がロックリザードを大量に狩って持ってくると凄いやる気だ。

俺の狩る分残るかな?ってぐらいの気迫を感じる。


みんなさっぱりしたところでようやく夜ご飯の料理を始める。

コボルトの料理担当カワサキ(名前をつけた後にコックにこの名前は不味かったかなと思ったけど本人が気に入ってしまった為変更できなかった)とステーキを焼いて食べた。

ソースはニンニク醤油とかオニオンソースとかそんな感じで一通り試して見たけどどれも人気だった。

肉に関しては霜降りが多く柔らかい和牛が好きな子と赤みが多いオーストラリア牛肉が好きな子で意見が分かれた。

正直俺より肉へのこだわりが強い気がする。

まぁ犬…じゃなくて狼かなので肉にこだわりがあるのは当然なのかも?


ご飯を食べ終わったら、洞窟内だからテントは建てなくて良いかとコットと寝袋だけ用意して寝る準備を始める。


コットとはキャンプの時に使う簡易ベットのような物だ。


コボルト達にもみんな使う?って聞いてみたらコットだけ使うと言うので、コットをみんなで組み立てた。


全身に毛が生えてるから寝袋まで使うと暑そうという判断だ。


100cmしかないコボルト達が一生懸命コットを組み立てる姿はすごく可愛かった。

力を入れすぎてコットの骨組みをへし折ってしょぼくれてるコボルトもすごく良かった。

なんと言うかコボルトと生活しているだけで癒される。


キャラLvがさらに上がったり、付与のおかげで全ての魔法の魔力消費が1割減ったりしたおかげで、1晩なら途中で複合結界を張り直す必要なくなった。

コボルト達にお休みと言ってコットの上にひいた寝袋に入るとすぐに眠ってしまった。


ーーーー


「まぁ確かに戦闘技術を鍛えたいのならこれもありか」


次の日朝ごはんをみんなで食べてから俺、サテツ、ハンゾウ以外は外にロックリザード狩りに向かった。


今残っている人達は俺がキャラLvとかスキルLvを上げるだけじゃなくて戦闘技術も鍛えたいと言ったら。

なら私たちと模擬戦するのはどうですか?とサテツに言われたからだ。


まずは、ハンゾウとだ。

ハンゾウと向かい合って木刀を構えるとサテツの始め!と言う掛け声で模擬戦が始まった。




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読んでいただきありがとうございます。

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