第4話
「おっ。ゴブリンを一撃で倒せた。ちゃんとキャラLvも上がっているみたいだね」
武器を木刀に変更してから2、3回頭を殴ればゴブリンを倒せるようになった。
それから調子よくゴブリンを倒しているとキャラLvが上がったおかげで身体能力が上がってゴブリンを一撃で倒せるようになった。
今までは念には念を入れてゴブリンが2匹以上いた場合は戦わずに逃げてたけど。
一撃で倒せるなら複数体との戦闘も大丈夫だろう。
まだまだ戦闘には不慣れなので、調子に乗って何体とも同時に戦ったら普通に痛い目みそうだけど。
それに今は運良くゴブリンしか遭遇して無いけど。
ゴブリンより強い魔物だって当然この森に生息しているはずだ。
それに出てくる魔物が今のところゴブリンだけだったり、採れた野草が初級回復草等のレア度の低い物だったりする所から考えると。
この森の難易度は一般人が入っても何とかなっちゃうぐらい低い場所と予想できる。
と言う事はこの森には魔物を狩ったり植物を採集したりして生計を立ててる冒険者等がそれなりの数、出入りしている可能性が高い。
この世界は男と言うだけで人間扱いしてくれない国や女性がそれなりに存在するみたいなので出来れば遭遇したくない。
男女比が1:10000なんだから出会う人間99%以上の確率で女性だし。
「ただ、俺以外の人間の足跡とか見当たらないし。さっきの野草地帯も採集された様子が全くなかった。何なんだろうなこの森」
足跡も採集のあとも俺が見つけられてないだけって可能性も有るけど。痕跡探しなんて初めての経験だし。
「考えても答えはでないし早く魔物討伐を再会しよう。安全に夜を越す為には魔物を200体倒さなきゃいけないんだから」
今のところまだ30体しか倒せていない。
このままじゃ魔物の夜襲を警戒しながら夜を過ごさなければいけなくなってしまう。
俺にそんな器用なことが出来るとは思わないので、もしそうなってしまった場合寝ている間に襲われないようにお祈りしながら寝る、運ゲーが始まってしまう。
失敗したら死ぬ運ゲーなんて絶対にしたくないので、どうにかして日没までに後170体の魔物を倒す必要がある。
本来、結界魔法のスキルの宝珠をドロップする魔物は中級者を卒業してそろそろ上級者かなと言うぐらいの実力を持った人が互角に戦えるぐらいの実力を持っている。
その魔物を倒さずに、最弱のゴブリンをいっぱい倒すだけで結界魔法が手に入るんだから文句は言えないんだけどね。
魔力操作のスキルの宝珠に関してはこれが無いと魔法のスキルを持っていたとしても使えないので、ゴブリンより少し強いぐらいの強さの魔物からドロップする。
それにドロップする魔物の種類も複数あるので、その内の一種類でもこの森の中にいれば
その魔物を狙うことで、200体より少ない数ですむ可能性がでてくる。
倒している間に魔力操作のスキルの宝珠がドロップすればSP交換で交換するのは結界魔法のスキルの宝珠だけで良くなる。
魔力操作のスキルの宝珠のドロップ率は1%とスキルの宝珠のドロップ率の中では高め。
つまり100体倒している間に1個はドロップする計算だ。
確率ってのは厄介なもので倍の1000体倒そうとドロップしないことも稀に良くあるけど。
でも今回はSP交換のおかげで200体という天井が存在する。やっぱり天井は良い文明だな。
今のところゴブリンとしか遭遇してないし残り170体倒すって言うのが1番現実的か。
ゴブリンを倒す為に少し早足で森の中を歩き始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー神界ー
間違って神罰を落とされてしまって、異世界に転生することになってしまった後藤弘樹。
彼はこんな状況になってしまった元凶の神様に神界から行動を監視されていた。
「あの森は彼のために特別に用意した《チュートリアルの森》の森だから彼以外に人はいないし、夜に魔物に襲われることは無いし、最初に持っていると便利なスキルの宝珠をドロップする魔物を中心敵に配置してるし、スキルの宝珠のドロップ率を倍にしている夢のような森なんだけどね。彼は気づいて無いみたい」
「彼はあの森について何も聞いてないのだから当然では?寧ろ私からしたら警戒が足らないと思います。それよりなぜあの世界に転生させたんですか?」
背中に3対6枚の羽が生えた天使が神にそう意見する。
この神はいくつもの世界を創造して管理している。
わざわざ男女比1:10000などと言うちょっと可笑しい世界じゃなくてもっと普通の世界に転生させることも出来たはずなのだ。
「あぁそれね。あの世界さぁ、僕が創造してその後も加護をあげたり、人間が繁栄出来るように手助けしてあげたのにさぁ、男神だってだけで最近邪神扱いしている勢力が増えてきたんだよね。その勢力を粛清するのにちょうど良いと思ってね。神罰を落としても良いけど、今回みたいに失敗したら嫌だし」
それを聞いた天使は転生した後藤弘樹のことを少し不憫に思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます