第2話
気がつくと森の中で突っ立っていた。
「ガッツリ森の中だな。まぁ、人の近くに転生するよりマシだろう」
最低限、自衛ができる力をつけてからじゃないと男ってだけで面倒なことになりそうだし。
「本当なら俺が欲しいスキルの宝珠をドロップする魔物を倒しまくる必要がある訳だけど…」
神様がチート仕様にしてあげると言われているスマホを起動する。
ホーム画面には『SP交換』、『MP交換』、
『ストレージ』3つのアイコンだけ存在した。
地球で遊んでいたゲームやアプリは削除されていた。
使い方を確かめる為にひとまず、アプリを起動して操作をしてみる。
その結果、『ストレージ』は物を収納出来るアプリ。
『SP交換』はストレージに収納した魔石を売却すると獲得できるSPをスキルの宝珠と交換できるアプリ。
SPはスキルポイントの略という事だろう。
『MP交換』はストレージに収納した魔石以外の物を売却すると獲得出来るMPを色々な物と交換できるアプリ。
この世界の武器やアイテムは勿論、1部地球の品物を交換することも出来るようだ。
MPはマネーポイントの略だと思う。
「神様が言っていた通りチートスマホだな。絶対に無くさないようにしないと」
SP交換が有れば本来、龍種から低確率でドロップするスキルの宝珠をゴブリンの魔石を大量に集めてSPに変換して交換ってことも出来るだろうし。
MP交換で地球の品物が手に入るのは嬉しい。
ハーレムクエストには和食が存在してなかったから。ハーレムクエストを真似してつくった世界には存在しないだろうし、それだけは少し不満だったんだけど。
MP交換で和食を交換できる見たいなので凄く助かる。
ストレージの利便性は説明する必要無いだろう。
「初回キャンペーンで好きなスキルの宝珠をどれか1つ貰えるらしいけど…どれにしようかな」
通常、手に入れるのが難しいスキルを交換するか…。
無難に戦闘に役立つスキルを手に入れるか…
手に入れるのが難しくて戦闘に役立つスキルを交換すればいいと思うかも知れないけど。
入手難易度が難しいスキルは前提条件として他のスキルを覚えていないと使えないスキルが多い。
それにハーレムクエストの場合スキルのボタンをポチポチクリックするだけで発動していたけど。今は現実なので自分がスキルを使う必要が有る。下手なスキルを交換するとせっかく交換したのにスキルを発動出来ないって事も有り得る。
「となると自分で発動させなきゃ行けないアクティブ系のスキルじゃなくて、常時発動型のパッシブ系のスキルを選ぶべきだな」
そんな感じで考えた結果、棒術を獲得することに決めた。
ハーレムクエストの武器の名前に術と書かれているスキルは、持っているだけでその武器の扱いが上手くなるスキルではなくて。
その武器を使って攻撃した時に与えるダメージが増えると言うスキルだ。
Lv1から10まであってLv1だと1,1倍Lv10だと2倍まで敵に与えるダメージを増やすことができる。
なので、武器を扱う技術が無くてもそれなりに戦えそうな棒術のスキルに決めた。
カッコよく剣とか使ってみたいなとも思うけど、素人には無理だろう。そもそも、剣持ってないし。
棒術ならそこら辺に落ちてるいい感じの木の棒でもスキルの恩恵が得られるだろうという所もポイントだ。
そんな感じでスマホを弄っているとパキッという小枝を踏んずけて折った音が聞こえてきた。
何だ!とスマホから顔をあげると10mほど前に全身緑色で身長100cmぐらいで汚ったない腰蓑をまいたファンタジーでは定番の魔物ゴブリンがこちらに襲いかからろうと身構えていた。
魔物が出てくる森の中でスマホに集中しすぎたのはまずかったな。
下手したら、ゴブリンに気づけ無いで殺されているところだった。
ゴブリンは1対1なら攻撃に関係するスキルを持ってない人でも普通に倒せる魔物だ。
木の棒でも普通に倒せるはず。
ただし、ゴブリンはずる賢いので実は数匹近くに隠れていて目の前ゴブリンに集中してると隠れているゴブリンから後ろから攻撃されてタコ殴りにされる可能性もある。
油断はしないようにしよう。
引っ掻き攻撃をする為に右腕を上げながら走ってくるゴブリンを躱して、ゴブリンの頭を木の棒で殴りつける。
1発殴るとゴブリンは脳震盪を起こしたのかその場に崩れ落ちたのでそのまま動かないゴブリンの頭を殴り続けてトドメをさした。
「生き物を殺したけど。そこまで精神的にダメージを受けたりしなかったな」
生き物を殺すなんて経験初めてだったし、少し動揺するかなと考えてたんだけど。
特にそう言う事は無かった。
神様が調整してくれたのかな?
そんな事を考えながら、ほかの魔物に襲われる前にこの場から離れるためにストレージに倒したゴブリンを仕舞って移動を開始する。
どっちに行けば良いかなんて分からないので、ゴブリンが来た方と逆の方向に進むことにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます