第9話

「か…かわいい…! 私の娘かわいいわ! 旦那様ナイスですわよ! マシロ〜お母様ですよ! それは、元の世界の服かしら? こちらの服を用意しているのよ! 後で着てみましょうね! それから…」

「リーシャ、ストップだ。」

私の手を握り、はしゃいでマシンガントークをする母を父が止める。

「まず、みんなの紹介が先だ。マシロ、母のリーシャだ。」

「お母様、よろしくお願いします。」

「ええ! 私のかわいい娘。よろしくね。」

母は、元の位置に戻り笑顔で手を振っている。

「母の隣は、長男のクラウディオ。22歳で宮廷魔法師として仕事をしている。勉強で分からないことは、クラウディオに聞くように。」

「よろしく。僕らのかわいい妹姫。クラウ兄様と呼んで。」

金髪にアクアマリンの瞳の男性が微笑みながら手を上げる。

「はい。よろしくお願いします。クラウ兄様。」

「その隣、次男のコルネリウス。20歳で軍所属の魔法剣士だ。兄妹の中で1番の長身だ。」

「下3人はコル兄と呼ぶ。あぁ、俺が触れたら壊してしまいそうなくらいに小さくてかわいい…」

黒髪にルビーの瞳のがっしりとした体格の男性が、目をキラキラさせながら手を上げる。

「コル兄様。私はそんなに脆くありませんよ。よろしくお願いします。」

「次、三男のギルバート。19歳で、クラウディオと同じく宮廷魔法師だ。」

「よろしくね〜。ギル兄様って呼んでね〜。僕は屋敷にいないことが多いんだけど、かわいい妹が出来たからちょくちょく帰ってくるよ〜! 春にはなったら同期に自慢しよー」

金髪にアメジストの瞳の少し軽い感じの男性が手を降る。

「ギル兄様、よろしくお願いします。自慢出来る妹になれるように頑張ります。」

「その下が4男のテオドリック。17歳。マシロが入学するアカデミーの最高学年の5年生に4月からなる。アカデミーで困ったことがあればテオドリックに言うように。あと、クラウディオが居ないときは、テオドリックが勉強を教えてくれる。」

「兄上たちは、テオと呼ぶ。アカデミーの生徒会長をしているから、何かあったら言ってくれ。」

金髪にルビーの瞳の青年がニコニコしながら手を上げる。

「テオ兄様、よろしくお願いします。」

「最後は昨日まで末っ子だった5男、ルドヴィクス。16歳。アカデミー4年生に4月からなる。研究者になりたいらしくてな、好奇心は旺盛なのだが…何かされたら上4人に言いなさい。」

「酷いです! 父上! かわいい妹を研究対象にするなんて…少しはするかもしれませんが、変なことはしませんよ! よろしくね! 僕らのかわいい妹! 僕はルド。屋敷の本のことなら僕に聞いて!」

黒髪にアクアマリンの瞳の青年は、父に怒りつつも、笑顔で手を上げる。

「ルド兄様。よろしくお願いします。」

「あとは…あぁ! 執事長のヴェルディに、メイド長のアマリア。ヴェルディとアマリアの息子で侍従兼執事見習いのディードだ。」

「「「よろしくお願いします。お嬢様。」」」

「よろしくお願いします。」

「後で専属メイドをアマリアが紹介する。」

紹介された後に各個人に挨拶をして、長い家族紹介がやっとおわる。うん。とりあえず顔と名前は覚えた。よし。


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