吉良井くんは好かれたくない〜自分をよく知る人にほど嫌われる呪いにかかってしまった僕ですが、隣の席の美少女がウザイほどに好奇心旺盛過ぎて困っています〜
プル・メープル
第0話 はじめまして、ウザ絡み
世の中には二種類の人間がいる。
『この先立ち入り禁止』
そう書かれた看板を見た時、危ないならやめておこうと通り過ぎる人間と、好奇心に押し負けて入ってしまう人間だ。
この物語の主人公である
彼が選んだのは後者であり、そこで祀られていた祠にぶつかって壊してしまった結果、信じられないことに呪われた身となってしまった。
彼には時々聞こえるのだ、あの日壊した祠の疫病神が『お前は一生ひとりぼっちだ』と嘲笑う声が。
「お前なんて嫌いだ! 理由はないけど」
「なんかムカつくんだよ、なんでだろうなぁ!」
「そこにいるだけでイライラするの、あっち行って」
小学生、中学生をそんな言葉をぶつけられながら過ごした彼は、もちろん深く傷付いていた。
自分を知ってもらおうとするほどに嫌われ、周囲に人が居なくなっていくという事実は子供である彼にとってとても厳しい現実だったから。
同時にあの日選択を誤った自分を責め、疫病神に何度も頭を下げた。それでも許してもらえることはなく、体質は今も健在のまま。
そんな彼は中学を卒業したあの日、ついに悟った。
『誰にも自分を知られなければいい』
年齢、名前、クラス。
知られなくてはならないこと以外の一切を知られなければ、ただのクラスメイト、同じ学校の生徒以上の存在にならなければ、知られることによって発動する呪いも意味を成さない。
元々元気な性格は酷い環境によってもう跡形もなく消えてしまった。独りで3年間過ごせばいいだけ、暴言を吐かれないだけまだマシだ。
そう信じて何とか一年生を無事に乗り越えたと言うのに、二年生になって一ヶ月ほどが経過した日に異変は起きた。
「どーもどーも、隣の席になった
窓際の一番後ろの席、ひっそりと暮らすには最適な場所であると言うのに、隣になった女子が嫌がらせのようにウザ絡みしてくるタイプだったのである。
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