惰性

少しだけ聞いてくれないか

どっかの仏像と同じ位置にこれ見よがしに

できた吹き出物を睨みつけ

膿とともに善良な心でも潰して出そうか、

おれの膿はどっから出んだろうか

喉の奥か、爪の間か、はたまた瞼の裏側か

いつも反吐や言い訳を飲み込み

ハイハイとペコペコ頭を下げる毎日を続けて

アンアンと喘ぐ女に心の悔しさを委ねて

諭吉2匹を浪費してしまった夜はいつもいつも

走れもしないのに終電へと急ぐ。

最寄りのコンビニでは未だに居場所の無い

ガキらが群がる、アレにでもなれるもんなら

将来の黒さが見えてくるんだろうか

ブルーライトとニコチンで濁った俺の目には

税金と部屋の掃除と、隣には誰も居ない

そんな将来が見えてくる、 鮮明に

あの黒さを、見えない怖さを今は欲しい、

踵のすり減った革靴でATMの前に立つ

せっかちな中指は震えながら暗証番号を押す

残高なんて見たか無い、どうせ目に入るけど

深夜の可愛い新人バイトに唯一渡す優しさが

今の自分には見付からない。

1番左端の下から3番目、1つ。そう言わず

掠れた声帯からは 46番1つ。 そう聞こえた。

慌てて棚を目で追う彼女に苛立つ自分に

上司よりもブスの援交よりも苛立ちを覚えた

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