呪いは実在する!? 私は呪いで腹を壊し派遣先をクビになった! 『まじないの文化史 日本の呪術を読み解く』の読書感想文
鮎河蛍石
縁切り神社安井金毘羅宮
表題の本を読んでいたら、
四年前のクリスマス、極めて暇だったので縁切り神社を参ることにした。その神社は度々、インターネットで話題になる程、強いご利益があると有名な場所。失礼のないようにスーツを着て、高槻から阪急電車に揺られ河原町まで行き、八坂神社の手前にある目的地まで歩いた。鴨川を越え路地を行くとラブホテル群に隣接する場所に『悪縁を切り良縁を結ぶ祈願書』と書かれた看板が掛かる鳥居を見つけ写真を撮ろうとスマホを構えた。しかし、スマホの電源が落ちる。充電をしっかりしていたし、タイミングがドンピシャ過ぎてオカルト大好きな私はテンションが上がる。スマホを再起動すると写真が撮れた。
境内へ入るとカップルや観光客で賑わっている。一通り境内を回っていると気づいたことがあった。私が入った側の鳥居は参道の出口だったようだ。大通りに面する通りに表の鳥居があり、鴉が二羽とまっていた。
せっかくなので私も願掛けをすることにした。
この神社には有名なモニュメント「縁切り縁結び碑」があり、願掛けをしたお札が無数に張り付けられているのだ。このモニュメントの利用を巡って設計に携わった彫刻家と神社が裁判をしたと記録があり、神社側の勝で幕がおりているそうだ。
願掛けの次に本殿に参ることにした。本殿まで行列ができており、行列に沿って絵馬が掛けられているので内容を見る。結婚が決まった芸能人を呪うファンのメッセージや、相手の住所に添えて破滅を願うメッセージ、果ては同僚のパチンコ癖の縁切りを祈願するものまで、内容は多岐にわたる。
参拝から三日後のことである。
夜中に体が火照り目が覚め、熱を測ると四十度をマークした。インフルエンザを疑い受診をしたが腸炎であった。その後熱が下がらず一週間職場を休むと、派遣先の契約が打ち切られた。
信じがたいが縁切りの呪いは実在する。
呪いは実在する!? 私は呪いで腹を壊し派遣先をクビになった! 『まじないの文化史 日本の呪術を読み解く』の読書感想文 鮎河蛍石 @aomisora
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