見習いシスター、フランチェスカは今日も自らのために祈る 作者 通りすがりの冒険者 様
見習いシスター、フランチェスカは今日も自らのために祈る 作者 通りすがりの冒険者様
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897785358
「評価の方法・基準」
ストーリー
D C B A
1 2 3 4 5
↑
登場人物
D C B A
1 2 3 4 5
↑
文章
D C B A
1 2 3 4 5
↑
「評価の方法・基準」
評価基準の該当項目。
ストーリーに関する事
A 下記項目のうち二つ以上に該当したものがあったとき。
面白かった。
B下記項目の内一つに該当したとき
最後まで読めた。題材、キャラクター、設定が物語に生きていた。良いけどAには少し足りない。
キャラクターに関する事
A
セリフのみで誰のセリフかが分かった。
B
誰が何を言っているのかが分かった。キャラクターの容姿や動きをイメージできた。
文章
B
ストーリーと文体が一致している。誰が何をしたかが分かる。
一言
ストーリーについて
まんがタイムきららのような、ゆるくまったりとしたコメディ作品のように感じました。主人公のフランチェスカの破天荒さをコメディの核とした作品だと思い3話まで読ませていただきました。破天荒さをより際立たせるためにアンジローを視点主人公に据えた構成にしたのだと考えたのですが、幼稚園の話ではフランチェスカが視点主人公となり、破天荒さは身を潜めてしまいました。
この幼稚園の話で読者が期待する事は、悪童達をフランチェスカがどうまとめていくかだと思います。フランチェスカが凄いことをやって園児の心をつかむのは正攻法で、ありだと思います。ただ、問題となるのが、大人をストレス性胃炎にする園児達は果たして正攻法が通じるほど素直なのか。ということです。きっと答えはNOだと思います。何故って? 物語としてそちらの方が面白くなるからです。悪ふざけを凌駕する破天荒なフランチェスカをみたかったです。
ノエルの話
いい話です。正直、私の涙腺がすこし緩んだのも事実です。ただ、それ以上にサプライズはあかん! って思ったのも事実なのです。一個人の感想としては病院でのサプライズは感動よりも命への配慮が先に立ってしまいます。衛生面、スモークを焚くにしても喘息を持つ患者への配慮……などなど。いい話であるからこそ、感動に無粋な思考を挟ませないように全方位への配慮が創作でも必要になると考えます。
幼稚園の話に出てきた沼でも同じように感じたのですが、コメディだから日常離れした設定、キャラクターというのはあり。だと思います。しかし、コメディだからこそ、詰めなければいけない、日常から乖離させてはいけない設定もあると思います。特に幼稚園とノエルはコメディ色は薄く、人情もののお話でした。幼稚園を作る段階で沼が放置されるか? 放置されないと思います。また、病院での夜のサプライズは警備員に止められますし、フランチェスカが心臓病を患っている子にサプライズをしかけるのもキャラクターの造形から離れているように感じました。フランチェスカなら、医師、看護師、患者全員を巻き込んで、皆んなが幸せになれるようなイベントを企画するような気がします。
脱線しましたが、日常系コメディで詰めなければいけないのは、日常では絶対に放置されることのない命を守るための設備、施策などはガチガチに固めすぎてもいいくらいだと個人的には考えます。無論、勢いでねじ伏せていく作風でしたら、底なし沼も問題はないと思いますが、今回の話は勢いよりも人情に重きをおいた物だと判断しました。
幼稚園の沼の代案として、液状化現象が妥協点でしょうか。地震により突如出現した沼のような危険地帯。こんな感じでいかがでしょうか?
キャラクターについて
フランチェスカ
このキャラクター造形の面白いところは、シスターとしては破天荒であるが、修道服を脱いだ時は少し怠惰で多才な女性となる所です。そう、一般女性として見ると破天荒では無くなるのです。ここが、読者の共感を呼び込むポイントになり、魅力的に映っているのでは無いかと思います。その反面、破天荒なシスターという売り文句が弱くなります。
マザーと聖書で殴り合い、日常会話でもさらりと引用できるくらいには聖書を読み込み勉強しているフランチェスカですので、右の頬を叩かれたら〜の件で曖昧になるのに違和感がありました。誦じて殴った上で「左の頬も差しだせ!」でもう一発! だとフランチェスカの破天荒プリをアピールできるかもしれません。ただ、果たして聖書をフランチェスカが曲解するだろうか。という問題が残るのも事実です。
マザー
流石はフランチェスカを受け入れた教会のマザーなだけあって、一見堅物な修道女ですが、やっている事はかなりの破天荒です。迷える子羊の眼前にて見習いシスターの顔面を鷲掴みにするなんて、ヤベェ奴です。このシーンからマザーは若い頃かなりやんちゃしてきたことが読み取れます。また、未経験者を幼稚園という命と子供の未来を預かる教育の現場に教諭として、躊躇いもなく放り込むのもかなりの胆力がいる事です。
ああ、フランチェスカを破天荒と思えないのはマザーのせいでしたか。
文章について
作品の雰囲気、ゆるさをより効果的に醸し出すために、描写を最低限のものにとどめ、易しい言葉を選んでいるように感じました。その結果、一話あたりの短さもあり、Twitterのタイムラインを読むようなショートショートを読む感覚で次々と話数を読み込むことができました。
気になったのは、1話で特に強く感じたのですが、文章のリズムがに間が脚本のようでした。具体的には〜した。、〜した。のような形での同じ文末での説明が続いた時に強く感じました。ただ、第一話ということもあり、この作品を書き慣れていなかったために起こった事だとは思いますが、3話以降改善されていました。
コメディを書く上で描写の取捨選択は難しいものがあったと思いますが。風景描写をどこまで入れるか。事細かに書くべきところとあえて書かないところの線引きをは上手だなと感じました。メインの舞台になるであろう教会の内装は最小限の言葉に留めつつも、丁寧に書き、公園の様子などは読者のイメージに任せると、いった配分にしたのだと思います。
7話ではルイスの注釈が地の文としてではなく、完全な注釈としてでたため、物語から現実に戻されてしまい勿体無いなぁと感じました。いっその事、ルイスの注釈はなくてもいいかもしれません。
下記の二箇所はかなり好きです。
はい……マザーのルビ
教会ってセーブする所なのにデータが消えた。
物語がさらに面白くなる事を願って、つらつら書かせていただきました。私が上で書いたことは書きたい物語にそぐわない可能性があります。その時はバッサリ要らない意見は切り捨ててください。意見の取捨選択の権利は作者様にしかありませんので。
これからもお互いに切磋琢磨していきましょう。
企画への参加ありがとうございました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます