第199話 魔力追跡

「なにか外で嫌な魔力が溢れているのじゃ」


 コロポが何かを感知するのと同時に、外で隠れてストレッチをしていたハワードも急いで外に向かって行った。


「よし、ゴードンさん今日はこれで終わりです」


「ああ、体が楽になったわ」

 

「しっかりストレッチをやっていたら来なくてもいいのでやってくださいね」


 俺はゴードンに気づかれないように見送るとコロポに話しかけた。


「それでまだその反応はあるか?」


「あるのじゃ!」


「ミィ少し外に出るけどまだ依頼は残ってる?」


 外にいるミィに確認すると次の依頼はだいぶ後の時間になるらしい。


「その魔力がするところまで案内をよろしくね」


「わかったのじゃ」


 俺はコロポに強い魔力を感じたところに案内してもらうように頼み、異世界病院を後にした。





 コロポと共に強い魔力が放たれた場所に向かって走っていると目の前には依頼を終えたラルフが帰ってきていた。


「おい、ケントどこいくんだ!」


「何か街の中で大きな魔力を感じたってコロポが言ってるんだ」


「それは何かあったってことか?」


「それはわからないのじゃ」


 胸ポケットにいたコロポはラルフに説明していた。


「場所はわかるのか?」


「ある程度は分かるのじゃが……街中で強力な魔力をいくつか感じることがおかしいのじゃ」


 魔力を感じるのは基本的に王城にある魔法師団の訓練場か冒険者ギルドの訓練場ぐらいだ。


 あとは時折教会でも治療という祈りで魔力を感知される。


 だが高いお金を払って治療する人は滅多にいないため、よっぽど強い魔力を発する場所は基本的には二ヶ所のはず。


 だが今回は色々なところで魔力を感じているらしい。俺にはあまりわからないが魔力に敏感なコロポが言うのは間違いないのだろう。


「そういうことか。なら俺も一緒にいく。何かあれば俺の目も使えるかも知れないし、そもそも魔力ならグリッドが必要になるかもしれないしな」


「わかった」


 対魔法使いであればラルフのグリッドは戦力としては十分大きい。ラルフはそのまま俺達について行き目的地に向かった。

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