第133話 帰還報告
俺達はその後もトラッセン街で数日過ごし、王都へ戻ることにした。馬車で同じだった家族の家にも遊びに行き、もう一つの樽にも魔力蜜をたっぷりもらった。
そのためまた医療ポイントを10消費して異次元医療鞄を拡張することにした。
王都への馬車の移動は特に何か起きることもなく、定番化となっているリチアがパーティーに誘ってくるぐらいだ。
王都についた俺達は冒険者ギルドへ報告に向かった。
「特別依頼達成したとギルドマスターに伝えてくれ」
マルクスが受付嬢に伝えるとすぐに、ギルドマスターの部屋に案内された。
――トントン!
「マルクスさん達と破滅のトラッセンの皆さんをお呼びしました」
中から返事の声が聞こえたため、受付嬢は中に案内し自身の仕事へ戻った。
「おー、依頼はどうなったのじゃ?」
「ケント頼む」
マルクスに言われ、俺は強制進化の首輪を取り出しすぐにしまった。
ハニー王国でのこともあり、魔力で魔物を寄せ付ける可能性を考慮し、カタリーナが魔力を抑制する箱を用意してから出した方が良さそうだ。
「確かに確認できた。まさか回収までしてこれるとは見事じゃな」
カタリーナから告げられた特別依頼は首輪の確認までだったが、回収までしているため報酬も上げて貰えるだろう。
「それで森はどうなってたのじゃ?」
マルクスが森であった出来事、ハニー王国まで案内されたことを話すとカタリーナは驚いていた。
「まさかハニー王国まで……」
「ハニーの王女と友達になって来ましたよ?」
俺は王国魔力蜜をカタリーナに見せると納得していた。
「確かにこれはハニー王国でしか取れないものじゃな」
「カタリーナさんは行ったことあるんですか?」
「ああ、 昔に何度か訪れたことはあるがそこまで親密な関係ではないぞ? そもそもあいつらはわがままなのじゃ。自分が一番可愛いと思ってるからな」
大精霊であるカタリーナとハニービーの女王蜂は似たような位置付けらしい。どちらも上位種にあたる存在なのだ。
「あの見えない空間にまで魔物が寄ってくるということか……。中々厄介な首輪なのじゃ」
「これはまだ預かっておいた方が良いですか?」
「ああ、すまないのじゃ。また用意できたら呼ぶからその時まで持っておいて欲しいのじゃ」
とりあえずハニー王国にあった強制進化の首輪は俺がしばらく預かることになった。
「それで他の地区に行ったもの達は帰ってきたんか?」
マルクスは気になっていたこと聞くと、カタリーナは首を横に降っていた。
「それがまだ帰ってきてないんじゃ。首輪についてはリーダーには話をしたし、お主達よりだいぶ早めに出発しているから帰ってきてもいいはずじゃがな」
他の二箇所に行った者達はまだ連絡も返って来ていないらしい。
「何かあればまたすぐに伝えるから今日はゆっくり休むのじゃ。報酬は明日までには準備をしておくのじゃ」
話しが済んだ俺達は解散して各々の時間を過ごすことにした。
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