第445話

 それからハルトたちは丁度良い場所で拠点作りを行ない、九十一階層の拠点を中心にして一週間の間、九十一階層の探索を行なって行った。


 最初はエルダートレントやアダマンタイマイの魔法攻撃には手を焼いたものだが、数日も戦えば慣れて行き、今は魔法攻撃を防ぎながら接近する事も可能になった。


 エルダートレントとの接近戦は地面から突き出る根っこ、切れ味の鋭い葉っぱ、自身の身体を操った攻撃への対処に苦戦する事になったが、エンシェントトレントや他のトレント種との戦いの経験のお陰で慣れるのは早かった。


 一方のアダマンタイマイの方はと言うと、こちらの方が苦戦する事になる。


 アダマンタイマイの防御力が流石アダマンタイトを食べていると言えるくらいの硬さ、それで物理的に甲羅の破壊を諦め、内部破壊や甲羅から頭部や四肢が出ている瞬間に攻撃して失血死や頭部破壊を狙う必要があるモンスターだった。


 アースドレイクはと言うと、ブレス攻撃を掻い潜っての接近戦を行なっていた。


 アースドレイクくらいの威力のブレス攻撃の対処は一人でも可能になり、次は近接状態での対処を行ない、一対一で攻撃を受けずに倒せる様になる。


 こうして一週間の間、ハルトたちは九十一階層以降に現れるモンスターの対処方法を学ぶと、九十二階層へと向かった。


 それから二ヶ月、拠点は作らずにモンスターを倒し、大岩から取れる希少金属や希少石を採掘し、草原に生えている希少な薬草や霊草の採取を行なって百階層にたどり着く。


 そして、百階層にたどり着いたハルトたちは探索を済ませると、土の世界樹の迷宮最後のボス部屋の前で拠点を作った。


 それから更に三ヶ月、拠点でレベルやスキルレベルに身体能力の向上を努め、新しい武器や防具に必要な道具の製作と新型ゴーレムの建造を行なった。


 この頃になると百階層に現れるモンスターが群れで襲って来ても、その対処を一人で行なえる様になり、モンスターを引き寄せるアイテムを使った狩りを行ない、最後のボス戦に備えて行った。


 そして、百階層のボスであり土の世界樹の迷宮の最後のボスモンスター、ガイアドラゴン対策をする会議をハルトたちは行なっていく。


 まずナビィからガイアドラゴンの説明から始まった。


 ガイアドラゴンは土属性と木属性を統べる龍のモンスターだ。頭から尻尾の先まで百メートルもあり、高さが三十メートルもあってゴーレム六号機と同じくらいの大きさだ。


 そんな巨大なガイアドラゴンは魔法にも秀でている。大地を大きく動かす事も、大森林と言える規模の森を生み出す事も出来るそうだ。


 これだけでも凄いのに、凄まじい身体能力を活かして行なう身体を使った攻撃の威力もあり得ないほど高いらしい。


 ただのアダマンタイトなら簡単に破壊する事も可能で、陸王樹木亀の時に使っていた大型ゴーレムで防御させても一撃で破壊されると言われた。


 だから、新しく建造や今までの一号機から七号機までの改良だけじゃなく、戦闘用の量産型ゴーレムも改良する必要があったのだと納得する。


 そして、今回のボス戦でも活躍するのはゴーレムだ。ガイアドラゴン戦でハルトたちが行なうのは全てガイアドラゴンが行なって来る攻撃の対処を行なう予定になっている。


 ガイアドラゴンに行なう全ての攻撃をゴーレムたちに任せて、ハルトたちはガイアドラゴンの攻撃、特に魔法攻撃の対処をする。


 これだけでガイアドラゴンを倒せる可能性は七十%なのだと言う。残りの二十%がガイアドラゴン対策用ゴーレムを囮に使っての敗走、残りの十%がガイアドラゴンへの敗北とナビィは予想した。


 これ以上勝率を上げられないのかをナビィに聞いたが、上げられてもそこまで劇的に上がらず、一ヶ月掛けて数%上げられれば良い方なのだと言われた。


 それからハルトたちはガイアドラゴン対策を話し合って行き、翌日に備えて身体を休めるのだった。





……………………………………………………

三つの新作があります

・そうだ、異世界に行こう

・ひきこもりのゴーレムマスター

・異世界大戦

以上の三作です

時間がある方は読んでくれると嬉しいです

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