第315話

 そして翌朝、ハルトたちは朝一番にドワーフ国ガンミーアに一番近い国境の町のメーフルを出ると、そのまま国境までの街道を移動して行った。


 道中、ハルトたち同じように朝一番から出発した商人や冒険者たちもおり、ハルトはプルンだけを肩に乗せて移動している。


 「証明書を見せてくれ。その後、ガンミーアへ何をしに向かうのか、これに触れて答えて貰う。」


 「分かりました。」


 冒険者ギルドのギルドカードを取り出し、関所の兵士に確認して貰うと、次は真偽の結晶に触れてドワーフ国ガンミーアでの目的を兵士に話をする。


 「世界樹の迷宮に向かおうと思います。」


 「そうか。他にはないのか?」


 「特にありません。」


 ガンミーアでの目的を話し、その後犯罪行為をガンミーアで行うのかなど質問を終えると、次にサバルーニャ獣王国で犯罪行為をしたのかなどの質問を幾つかされて、最後に従魔たちの確認を行なうことになった。


 ヒールスライムのヒスイの時には何も言われなかったが、ミルクカウのミルクの時はミルクカウは有名なせいか驚かれたが確認を終えた。


 そして、サバルーニャ獣王国の関所を出てドワーフ国ガンミーアの関所へ向かって進んで行き、その関所でも幾つかの質問を真偽の結晶に触れて行ない、従魔の確認を終えると、ようやくハルトたちはドワーフ国ガンミーアへと足を踏み入れる。


 「とりあえずあそこの町に寄るか?まだ朝早いし、そのまま世界樹の迷宮に向かう?俺は世界樹に早く行きたいんだけど。」


 『そうですね。なら、進みましょうか。何事もなければ二ヶ月くらいで着きますよ。』


 「思ったよりも早く着きそうだな。やっぱり魔境を通ったりするのか?」


 『今回は通りません。途中にダンジョンはあります。ですが、下級ダンジョンが二つに中級が一つの三つに入りますか?どれも今のハルトたちには必要ないですけど。まあ、ミルクには良い経験になると思いますよ。』


 「世界樹の迷宮に行くのと、ミルクに取ってはどっちが良い?」


 『それは世界樹の迷宮ですね。』


 「なら、世界樹の迷宮だな。早速向かおう。」


 それから方針を決めたハルトたちは街道を進んで世界樹の迷宮がある世界樹の木へと向かって移動を開始した。


 今までと同じ道無き道を進んで行った。道中で出現するモンスターは弱い食用になるモンスターなどが多く、偶にゴブリンなどとも遭遇しりする。


 ドワーフの国は数多くの山が多くあり、小さな山だけでも五つほど進み、今現在登っている大きな山を越えれば世界樹の木のある都市が見えて来る。


 「本当にデカいよな。」


 『どの世界樹の木も同じ大きさですけど、世界樹の木自体がこの世界で一番高いですからね。』


 現在登っている山頂を超えて見える世界樹木には感動のような物を感じる。そして、世界樹の木へと近付いて行くと、遭遇するモンスターが少しずつ強くなっていた。


 今登っている大きな山で遭遇するモンスターは20レベルから30レベルのモンスターが多く居て、苦戦はしないが立ち止まらないといけない。


 「おお!あれが世界樹の木か。直接見るのは違うな!!それに麓にある都市イガルマ。かなり大きいんじゃないか?」


 『ドワーフの国で一番大きな都市ですからね。ガンミーアの王都よりも大きいんですよ。』


 今までで一番大きな都市はブルフリング王国の王都だったが、このイガルマはそれよりも大きな都市だ。


 世界樹の木やイガルマの観察を終えたハルトは、世界樹の木を見て何の反応もない従魔たちの方を見た。


 「みんな、どうしたんだ?」


 ヒスイやプルン、コッコロにミルクたちは直接世界樹の木を眺めて動かないでいた。


 そして、動き出した際にヒスイたちに聞いたら感動していたそうだ。


 それからハルトたちは山を降りて世界樹の木の麓にある都市イガルマへと向かって進んで行くのだった。

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