第298話

 昼食を食べ終わったハルトたちは、少しの時間を食休みに使い、それが終わると獣王の縄張りの探索に戻った。


 探索に戻って最初に出会い戦闘になったモンスターはストライプホースという馬のモンスターだった。


 『ハルトは木属性魔法で、ヒスイは土属性魔法でストライプホースを転ばせるように魔法を使ってください!ストライプホースが転んで行ったら、コッコロは閃光爆音卵の投擲です!プルンはハルトとヒスイの魔法にストライプホースを誘導をしてください!』


 ナビィからの戦闘指示を聞いたハルトたちは、早速行動に移した。


 ハルトとヒスイはストライプホースの進行方向に罠になるように魔法を発動し、その場所を確実にストライプホースが通るようにする為、プルンは光属性魔法の光線や振るう剣から斬撃を飛ばして、ストライプホースの動きを誘導する。


 そして、プルンの誘導によりストライプホースの群れは、ハルトとヒスイの仕掛けた魔法の罠にはまる。


 草に足を取られ転倒するストライプホースや三十センチサイズの落とし穴に落ち体勢を崩し転ぶストライプホースが続出する。


 転倒したストライプホースの上を通るストライプホースがいる中でコッコロは閃光爆音の卵を乱れ撃つように投擲を行なった。


 ストライプホースの群れの中をまばらに投擲された卵が閃光と爆音を鳴り響かせて爆発を起こした。


 閃光の眩い明かりが晴れると、ストライプホースの群れにハルトたちは向かって行く。


 「慎重にトドメを刺しに行くぞ。」


 『なるべく早く閃光と爆音から復帰する前に倒してください。』


 閃光と爆音を受けてフラフラしているストライプホースや転倒した際に足の骨を折ったストライプホースが居る場所まで向かうと、ハルトたちは攻撃を仕掛けた。


 ハルトはストライプホースの首の骨を的確に世界樹の棒を振るい砕き、ヒスイは圧縮した水弾を放ち、硬くなった水弾によってストライプホースの頭を吹き飛ばし、プルンは振るう六つの剣で首を刎ねて、コッコロは規模と爆風を少なくした卵をストライプホースの頭に投擲して倒して行った。


 辺りの草原に血の臭いが広がる前にハルトは浄化魔法で臭いを浄化して、ストライプホースの回収をするようにヒスイたちに伝えると、ハルト自身もアイテムボックスに周囲のストライプホースを収納する。


 周囲のストライプホースを全て収納を終わらせると、もう一度浄化魔法を使い血の臭いを消すと、ハルトたちはその場から更に奥へと進んで行く。


 「なあ、あの小さな丘の上にさ、何にか居ないか?」


 遠くに見える小さな丘の上を動くモンスターを見つけると、ハルトは足を止める。


 『どれどれ!……ちっこいのがいるね!』


 『ぼくもみたーい!』


 『私の目では分かりませんねぇ。』


 『アースミーアキャットですかね?アースミーアキャットなら、周囲の穴から奇襲してくるモンスターです。警戒しながら進みますよ。』


 アースミーアキャット、そのモンスターは穴の中を巣にしているモンスターで、外の穴の周りに二本足で立ち上がり周囲の警戒と獲物を探し、獲物を発見すると地中を張り巡らされた穴を通って獲物に対して奇襲を行ない狩りをするモンスターだ。


 そんなモンスターを発見したハルトたちは周囲にところどころある穴を警戒しながら、見晴らしが良い丘を目指して進んで行く。


 そして、ハルトたちが丘へと距離を詰めて行くと、アースミーアキャットもハルトたちに気が付いたのか、丘の上に居たアースミーアキャットは全て消えていた。


 『アースミーアキャットが消えましたね。全員、アースミーアキャットからの奇襲に気を付けてください。いつ襲って来ても不思議じゃありませんからね!』


 「巣穴に通じている穴の数も増えて来たようだしな。みんな、気を付けるぞ!」



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