第52話

 異世界生活十一日目 四月二十三日第四光の日


 目を覚まし起きてカーテンを開けると今日も起きたばかりの外は薄暗く隣で寝ているヒスイを撫でながらベットから起き上がりコップに水魔法を使い水を入れて飲み干す


 「おはよう、ナビィ」


 『おはようございます、ハルト』


 「まだヒスイは寝てるのか?」


 『寝てますよ』


 今日は魔境の探索をする為にあまり魔力を使うわけにはいかないので魔脈に全力で魔力を流したり身体をほぐしたりしながら過ごしているとヒスイが起き出した


 「おはよう、ヒスイ」


 ヒスイに朝のあいさつをすると目の前に来てピョンと跳ねたりプルンと身体を震わせている。ナビィが通訳するとヒスイもおはようとあいさつしているみたいだ


 ヒスイを抱き上げて椅子に座り膝の上に乗せてヒスイを撫でながら俺とヒスイに身体の表面だけではなく身体の中まで浄化魔法を使ってその後に健康魔法を使用する


 身体をスッキリさせて少し筋肉痛になっていた身体を癒してヒスイのプニプニなボディを触りながらナビィに今の時間を聞くとあと三十分で朝食の時間になる様だ


 魔境に向かう用意をして防具に着替えて形を変えている世界樹の棒の形を戻しヒスイを抱き抱えながら部屋を出る


 一階に降りると朝食の仕込みをしているトーヤに会った。トーヤに冒険者ギルドにこれから向かうと話をして部屋の鍵を預けると冒険者ギルドに向かう


 朝の冷たい空気を感じながら冒険者ギルドまで歩いて向かい中に入る。冒険者ギルドの中は職員以外まだ一人も居ない様だ。それに職員も男性が受け付けにいる


 依頼ボードの前に立ち依頼を一つ一つ確認しながら狩猟依頼の中から依頼が失敗しなさそうな物を選び依頼書を取っていく


 「おはようございます。本日はどの様なご用件でしょうか?」


 「おはようございます、この依頼をお願いします」


 依頼書を受け付けの職員に渡し受理してもらう。依頼の受理が終わると依頼書を受け取り冒険者ギルドを出る


 大熊亭に戻る途中で鐘の音が鳴った。大熊亭の中に入ると食堂に向かいちょうど厨房から出てきたトーヤに朝食を頼むと自分で飲み物の用意をして空いているテーブルの椅子に座り朝食を待つ


 朝食を待ちながらヒスイに薬草の茎を上げながら待っているとサーシャが朝食を持ってやってきた


 「はい、お待たせしました」


 サーシャがテーブルにサンドイッチが乗った皿を置きテーブルから離れ厨房に戻っていく


 今日の朝食は焼いたベーコンにスクランブルエッグがトーストしたパンに挟まれているサンドイッチの様だ


 『「いただきます」』


 半分に切られているサンドイッチを片手で持ち食べていく。今日の朝食も美味しいと思いながらナビィが念話で話す感想を聞きヒスイにも分けてあげながら朝食を食べていく


 朝食を食べ終わると食器を厨房の前にあるカウンターに下げてから大熊亭を出て魔境に向かう


 門までくると門兵にギルドカードを見せて門を通ると魔境までの道を早足で進みながら魔境に向かう


 魔境の入り口に着くと抱えていたヒスイを下ろして身体の調子を確かめてから魔境の中に入る


 常に気配感知を意識しながら魔境の奥に向かい歩いていく。途中で狩猟依頼のモンスターであるラット、フォレストラット、ラビット、フォレストラビットが見つかれば投擲を使用して動きを止めてヒスイと協力して倒し薬草類があれば採取をして進んでいくとゴブリンが三体先に歩いているのが見えた


 (ナビィ、ヒスイに指示を頼む)


 『分かりました。ハルトはどうするのですか?』


 (投擲でこっちにゴブリンの意識を向けさせるよ)


 アイテムボックスから出した石を先を歩いているゴブリンに向かい投げると真ん中を歩いていたゴブリンの後頭部に当たる。石を投げているその間にヒスイはナビィの指示を聞き草むらの中に隠れる


 ゴブリンたちは攻撃された事に驚き後ろを振り返ると俺がいる事に気づき叫び声を出しながら走ってこちらに来た


 錆びた剣を持っているゴブリンが一匹、錆びたナイフを持っているのが一匹、棍棒を持っているのが一匹いるのが確認出来た


 収納から取り出した石を剣を持っているゴブリンに向かい投げる。投げられた石をゴブリンはどうにかしようと錆びついた剣を振り回すが剣を通り抜けてゴブリンの頭に当たり仰け反りそのまま後頭部から倒れる


 その間に二匹のゴブリンはこちらまで来ており世界樹の棒を構えナイフを持っているゴブリンに向かい横薙ぎに振るうとゴブリンはその攻撃を避けることは出来ず吹き飛びナイフを落とす


 残りのゴブリンが俺に突っ込んでくるが隠れていたヒスイが水の玉を放ちそれが当たりその衝撃でゴブリンは吹き飛ぶがまだ死なずに立ち上がろうとしている


 俺が棍棒を持っていたゴブリンにトドメを刺そうとしている時にナイフを持っていたゴブリンがナイフを拾い後ろからナイフで刺そうとしてきたがそれもヒスイが酸混じりの水の玉を作りゴブリンの背中に命中させる


 酸の攻撃を背中に食らったゴブリンが頭で絶叫をしてナイフを落とすとヒスイがそのゴブリンを触手で拘束して酸で溶かしながら触手で滅多打ちしていきゴブリンの声が小さくなっていった


 ゴブリンがナイフで狙っていたのはナビィから俺に念話で気づいておりナイフ持ちのゴブリンをヒスイに任せて俺は立ち上がろうとしていた棍棒持ちゴブリンの頭に向かい硬化して硬くした世界樹の棒を振り下ろしゴブリンの頭を潰すして収納する


 最初の方で倒れたゴブリンに駆け寄るとゴブリンは死んでおらず気を失っていた様だ。そんな剣持ちゴブリンの頭を先ほどと同じ様に潰してアイテムボックスに収納してヒスイのいる場所に戻る


 ヒスイの場所に戻るとヒスイが相手をしていたゴブリンは拘束していた場所や背中が溶けており死んでいた


 その場で狩猟証明と魔石を収納したゴブリンの分を含めて解体するとゴブリンの武器も収納してその場から離れようとした時正面から二匹のオオカミかイヌのモンスターが現れた


 『ハルト!あれはウルフです。レベルは八、九ですけどウルフは群れで行動します。最低あと三匹どこかに居ると思って行動してください』


 「分かった!ヒスイも倒し方を気にせずに攻撃をしてくれ!俺も魔法を使う」


 ヒスイと契約する前に戦った時に使った時と似た葉っぱが入った玉を放ち当たった場所を起点に大量の葉っぱと旋風でその場のウルフを切り刻むイメージをして魔力を変換して放出、生成してウルフたちの前に向けて放つ


 放たれた魔法はそのままウルフたちの前に向かう。ウルフたちのはそれに警戒したがウルフたちの間に通り抜ける方向の為あまり気にせずに向かってくる


 ウルフたちがちょうど通り過ぎる前に玉が弾けそこから大量の葉っぱが現れ旋風が起こりウルフたちを切り刻む


 ボロボロのウルフたちはそのまま突っ込むがその後すぐに倒れる。ウルフたちが倒れるその時に後方から三匹のウルフが突っ込んできた


 後方に向かい魔法の用意をしていたヒスイが生成した酸を多く混ぜた水の玉を放ちウルフたちの前で弾ける。先頭とそのすぐ後ろに走ってウルフには酸での攻撃は当たり全身が溶けていく痛みでのたうちまわっている


 一番後方にいたウルフはそんなウルフたちを飛び越えてこちらに来た。ヒスイは触手を伸ばして攻撃を加えていくがそれをウルフが避けながら先ほどの酸での攻撃をしたヒスイを脅威に思ったのか襲い掛かった


 ヒスイに襲い掛かったウルフに向かい世界樹の棒で突きを行いそれがウルフの胸部に当たり怯ませるとヒスイがその隙に触手で拘束して拘束した所から酸を生成してウルフを仕留めに掛かる


 触手の拘束を解こうともがくウルフに向かいよく狙いながら棒を振り下ろしてウルフを倒した

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