世界樹を巡る旅

第40話

　夕食を食べに一階の食堂に向かうとちょうどサーヤも食堂に向かっていた

　「サーヤちゃんも夕食なのか」

　「ハルトお兄ちゃん！そうだよ！」

　「じゃあ一緒に夕食を食べるか」

　「うん」

　食堂にはアイラがいてアイラに夕食を頼むとヒスイを座る予定の席にヒスイを置いて飲み物をコップに注いでヒスイの所に戻る

　「今日はハルトお兄ちゃん、何やってたの？」

　「魔境に今日行ってみたよ」

　「ほんと！どうだったの！」

　「森の中の草木が茂っている場所からモンスターが奇襲してくるから警戒を続けないといけなくて大変だったよ」

　「そうなんだ。危なかったの？」

　「回復ポーションも結構な数を使わないといけないくらいは大変だったぞ」

　「そっかあそこってそんな危なかったんだ。知らなかった」

　「だけど思っていたよりもお金を稼げたから今後は鍛練をする日を作ってじっくりと魔境の中を探索していく予定だよ」

　「おお！鍛練！どんな事やるの！」

　そういえばまだナビィにどんな鍛練をするのかを聞いていないな

　「な、内緒かな」

　「ええー教えてよー」

　「あっ、夕食が来たみたいだぞ」

　まだナビィに聞いていないから鍛練内容がサーヤに言えないのではぐらかしているとサーシャが夕食のお盆を持ってこちらに来た

　「はい、夕食を持ってきたわよ」

　「ありがとうございます、サーシャさん」

　「もう、ハルトお兄ちゃん！」

　ほっぺたを膨らませたサーヤをサーシャは宥めている

　「サーヤ、ほっぺを膨らませていないの」

　「むー」

　「話せる様になったら教えてあげるから夕食を食べようサーヤちゃん」

　「ぜったいだよ。ハルトお兄ちゃん」

　「約束するから」

　「わかった」

　「ごめんね、ハルト君」

　「大丈夫ですよ、サーシャさん。サーヤちゃん食べよっか」

　「うん」

　『「「いただきます」」』

　サーシャはテーブルを離れて厨房に行った。夕食の皿が乗っているお盆にはウサギの揚げ焼きと千切りされたキャベツとパンが皿に乗っていた

　「まずはウサギの揚げ焼きから食べるか」

　ナイフで一口大にウサギの揚げ焼きを切り分けていき切り終わったらフォークを使って食べていく

　「鳥の唐揚げみたいな感じだな。美味い」

　『焼いたウサギ肉よりもジューシーで美味しいですね』

　（そうだな）

　サーヤもウサギの揚げ焼きが美味しいのか美味しそうに食べている

　『ハルト、ヒスイが食べたいそうですよ』

　膝の上に乗せているヒスイがプルプルと震えて主張している。切り分けたウサギの揚げ焼きをヒスイに近づけるとパクッとフォークごとスライムゼリーの身体で覆っていき器用にウサギの揚げ焼きだけを取って身体を元に戻していた

　「器用だな、ヒスイは。それで美味しいか？」

　プルプル震えているヒスイの通訳をナビィがしてヒスイが何を言っているのかを教えてくれる

　『美味しいそうです。私も食べたいのでハルト、食べましょう』

　（わかったよ）

　サーヤと会話したりナビィがする食レポを書いたりしながら夕食を食べ終わる。コップに入れたポルゴ水を飲んで口の中をさっぱりさせてから食べ終わったお盆を下げる。サーヤは今日もお手伝いをするらしくそのまま厨房の中に入っていった。俺はヒスイを抱えて階段を登り部屋に戻る。ヒスイをテーブルに置いて椅子に座るとナビィに明日の鍛練はどうするのかを聞く

　「それでナビィ、明日の鍛練はなにをするんだ？」

　『戦闘の基礎になる能力値を上げる鍛練と新しい魔法スキルの取得と今、取得している魔法スキルのレベル上げをしようと思っています。詳細は明日鍛練をする訓練所でしようかと思います』

　「町の外にある冒険者ギルドの訓練所？」

　『その訓練所です。それでハルト、ヒスイの為に桶を出してくれませんか？』

　「水魔法のレベル上げをするのか？」

　『はい、ヒスイも強くなりたいそうです。ですから練習したいそうです』

　「そうか、俺も気配察知を取得したいからナビィ、昨日と同じようにお願いな」

　『わかりました』

　桶をアイテムボックスから取り出してテーブルに置くとヒスイはその中に水魔法を使って水を出し始め水魔法の練習を始めていた。その様子を見てからナビィに声を掛けて気配察知をする為にナビィに身体を預けた。預けた身体を使ってナビィは気配察知を使用すると辺りにいる生き物の気配が分かるようななってきた。それの感覚を広げたナビィは食堂くらいまで伸ばしてから止めてその範囲の気配を俺は感じ取っていく。身体をナビィが俺に返すと感じていた気配を少しずつ段々と感じ取れなくなっていった。感じ取れなくなってから目を開ける

　「ナビィ、集中していたら分からないから鐘が鳴ったら教えてくれ」

　『わかりました』

　「ふぅ……じゃあやるか」

　目を閉じて先ほどまでの感覚を感じ取る為に身体をリラックスしていく。どれくらいそうしていただろうか俺のそばにナビィが使った時と同じ様な気配を感じ取れていた目を開けると感じていた場所にはヒスイがいた。ナビィに気配察知が出来ていたのかを聞くと気配感知を取得していたと言われてしまった

　「それでナビィ、気配感知をどうして取得出来たんだ？」

　『気配察知と同じ様なスキルですからね。それに少し調べてみたら気配感知を取得しないと気配察知は取得できないようでした。すみません、ハルト』

　「そうだったのか」

　ナビィが新しく知るには一回ちゃんと調べないといけないみたいだ。そんなスキル効果だったけと思っていた時に外から鐘の音がした

　「鳴ったな。ヒスイ、お湯を貰ってくるからまだ練習していていいぞ」

　ヒスイに声をかけてからアイテムボックスからヒスイが使っている桶よりも大きな桶を出してお湯を貰ってくる。代金を払いトーヤからお湯を貰って身体を拭いているとヒスイはお湯の中に入ってデローンとしている。身体を拭き終わり浄化魔法と健康魔法を身体の中隅々までかけながらお湯に浸かっているヒスイにも掛けていく

　「寝る前にステータスを確認するか」

ステータス

名前　ハルト

年齢　15

レベル　10

ジョブ　【棒術士】【見習い魔法使い】

才能

体力　A

魔力量　A

力　A

耐久　A

器用　A

敏捷　A

魔力　A

精神　A

恩恵スキル

【ナビゲーション】【健康魔法レベル3】【ジョブ増加レベル10】

ジョブスキル

棒術士【棒装備時攻撃力小上昇】【棒術スキル経験値小上昇】【能力値力小上昇】【能力値器用小上昇】見習い魔法使い【魔力消費微軽減】【魔力系スキル経験値微上昇】【能力値魔力量微上昇】【能力値魔力微上昇】

変化スキル

【アイテムボックス】【棒術】【精神耐性】

ノーマルスキル

【棒術レベル11】【投擲レベル5】【土魔法レベル3】【水魔法レベル3】【木魔法レベル3】【生命魔法レベル1】【浄化魔法レベル3】【契約レベル3】【魔力感知レベル10】【魔力操作レベル10】【アイテムボックスレベル3】【気配感知レベル1】【呼吸レベル5】【歩行レベル4】【回避レベル1】【瞑想レベル4】【集中レベル7】【解体レベル6】【採取レベル6】【素材加工レベル6】【魔力回復量増加レベル5】【精神耐性レベル6】

【気配感知】

　効果

・レベルに応じて生きている生き物の気配を感じ取れる

【回避】

　効果

・レベルに応じて攻撃の回避を補正する

名前　ヒスイ

年齢　2

レベル　9

ジョブ　【見習い粘体士】

才能

体力　B

魔力量　C

力　E

耐久　A

器用　C

敏捷　F

魔力　B

精神　D

恩恵スキル

ジョブスキル

【粘体攻撃時攻撃力微上昇】【粘体術スキル経験値微上昇】【能力値耐久微上昇】【能力値器用微上昇】

変化スキル

ノーマルスキル

【粘体術レベル6】【水魔法レベル3】【生命魔法レベル2】【魔力感知レベル4】【魔力操作レベル4】【吸収レベル7】【酸生成レベル7】【細胞生成レベル6】【打撃耐性レベル3】

　ステータスを確認するとレベルが十になっているのが確認できたし新しく気配感知と回避のスキルが取得できていた。ヒスイの方もレベルがスキルの方も上がって強くなっていた

　「ヒスイ、俺はもう寝るから溢した水は吸収して置いてくれよ。じゃあおやすみナビィ、ヒスイ」

　『おやすみなさい、ハルト』

　今日は魔境の探索で疲れたからかベットに横になり目を閉じているとすぐに眠たくなって眠っていってしまった