第758話 これで彼らも、派閥入りって感じかな?
「今日はご一緒させていただき、どうもありがとうございます!!」
「「「ありがとうございます!!」」」
「おう! それとさっきも少し話したことだが、俺たちが夕食後にやっている模擬戦にお前たちも気が向いたらいつでも参加するといい、歓迎するぞ!!」
「お誘いいただきありがとうございます! ぜひとも参加させていただきます!!」
「「「参加させていただきます!!」」」
「うむ! 楽しみにしている!!」
「はい! それでは失礼致します!!」
「「「失礼致します!!」」」
「ああ! またな!!」
そんなこんなで、ビムたちを夕食後の模擬戦に誘いつつ、風呂上がりのアイスミルクコーヒータイムはお開きとなった。
「彼らも参加することで、一段と賑やかになっていきそうだな?」
「ええ、とても楽しみですね」
「アレスのことだから、彼らを思いっきり鍛えて新たなライバルに成長させようとか考えてるんでしょ~?」
「そうだな、伸びしろいっぱいの期待できる逸材たちだと確信している」
まずもって予選で俺と対戦が決まったとき、棄権せずに挑んできた男たちだからな……その時点で、ほかの奴らよりハートの強さが保証されているといっても過言ではあるまい。
「僕も、アレスさんをはじめとして皆さんに鍛えてもらったおかげでここまで来ることができました……だから、きっと彼らも強くなる……」
「ええ、おそらく来年の今頃は、本戦の出場権を争う好敵手になっていることでしょうねぇ……」
「よっしゃ、俺らもモタモタしてらんねぇな! 奴らに追い抜かされねぇよう、さらに気合を入れて鍛錬を積んでくぜ!!」
「……来年の武闘大会は既に始まっているというわけだな……さて、私たちはここで」
「おう! また明日な!!」
ここで、ヴィーンたちと別れた。
そしてビムたちの模擬戦参加は、ヴィーンたちにも新たな刺激となりそうだ……うん、いい流れが来てるね!
「今日の武闘大会……トイに苦戦させられて、ヴィーンには負けちゃったからなぁ……僕もまだまだ鍛錬が足りないなってことを痛感させられたよ……でも、この苦い経験は無駄じゃなかった……そう思えるぐらいもっともっと鍛錬を積んで、僕は強くなる! それまでアレス! 学園最強の称号は君に預けておくよ!!」
「ああ、私もシュウに敗れてアレスと再戦の機会を逃したからな、気持ちはセテルタと同じだ……そしてシュウにも勝たねばならんが……やはり、私の目標はアレス! お前をおいてほかにはいない!!」
「僕も、シュウさんにやられてしまいましたからね……そして、そんなシュウさんもアレスさんには勝てなかった……よって、志高い1年男子は皆、アレスさん打倒を目標に掲げて鍛錬に励むことでしょう……もちろん! その中に僕もいます!!」
「フフッ、いい……実にいい……お前たちの熱意は、俺をさらに燃え上がらせてくれる! それは俺にとって、この上ない喜びだ!!」
セテルタもロイターも、食堂とかで生徒たちに優勝候補としてよく名前を挙げられていたぐらいだし……サンズも、物理戦闘能力ならロイターと同等かそれ以上といわれていたレベルなんだ、そのぶん今回の結果について悔しさも大きいだろう。
その悔しさを燃料として、さらにレベルを上げてくれたまえ! それによって、俺も新たな刺激を受けることができるのだからな!!
「それはそうと……これで彼らも、派閥入りって感じかな?」
「うむ、そうだろうな」
「そう考えると……この派閥に入れて欲しいと僕らに頼むより、アレスさんに直接模擬戦を挑んだほうが早くて確実だったかもしれませんね?」
「えっ、派閥? 夕食後に模擬戦をするだけで、そんな大げさな感じになるの?」
正直、前世のサークル活動ぐらいのノリだと思っていたんだけど……いや、あれも考えようによっては派閥みたいなものではある……のか?
「まあ、誰を長とする派閥かっていうのは、見る人によって意見が分かれていたりするからねぇ……しかも、アレスはその辺のところに頓着がないときたもんだし……」
「家格の面も含めて、少なくない女子がロイター様を派閥の長と認識していますが……男子の中にはファティマさんが長だと認識している方もいますね……しかしながら、やはり一番多い意見としては、アレスさんを長としたものでしょう」
「あとは、私たちを含めての王女殿下派という括りもあったな……結局それも、お前を中心として始まったとする見方が強いが……」
「あぁ、そう……とりあえず王女殿下派っていうのは、コアの部分に確固とした集まりができているからいいとして……俺らのほうは、学園卒業と同時に解散だろうから、その辺のところはちゃんといっといてやる必要があるかもしれんな……」
「アハハ! そういうことを気にする辺り、なんだかんだいってアレスが一番優しいのかもしれないね!?」
「ええ、アレスさんは意外と面倒見がよかったりしますからねぇ」
「そういえば武闘大会中も、たくさんの子供たちから熱心に応援されていたな?」
「いやまあ、リッド君たちのことをいってるんだろうけど……それは俺が魔法を教えたりして付き合いがあったからだ」
「うん、普通の貴族なら家庭教師にでもならない限り、わざわざ子供に魔法を教えたりしないだろうね」
「しかも、相手が平民となれば、なおさらでしょう」
「その辺は隠しきれない気質といったところか……まあ、それについていい顔をしない貴族もいるだろうが、私はいいと思うぞ? といったところで、今日はここまでだな」
そうして、それぞれの部屋が近くなったので、挨拶を交わしてロイターたちとも別れた。
それにしても、派閥か……
ノリで「お姉さん大好き派」とか名乗るぶんには楽しそうなんだけどなぁ……
でも、マジなテイストの派閥はめんどうそうなので、御免被りたいところだ。
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