第379話祐の初めては、苦い思い出?

祐は、30分ぐらい眠った。(春奈に抱かれて)

目覚めて、実に恥ずかしい。

「あ・・・ごめん」

(途端に女子たちの笑い声、はなやかな感じ)


春奈は祐の髪を撫でた。

「疲れが出たんだよ、祐君」

朱里の目がキラキラとしている。

「春奈さん、役得ですよ、今度は私」


純子は祐の手を持って「手のひらマッサージ」をはじめた。

「祐君、またトロンとなっている」

真由美は、祐に質問。

「祐君って、女の子慣れしているよね」

「哲夫先生のアシスタントでそうなったの?」


祐は、コクリと頷いた。

「確かにそうかも、子供の頃から」

「モデルさん、女優さん、風景もあったよ」

「お茶係もした」


春奈は、後ろから祐をグッと抱いた。

「愛奈ちゃんが、大人の女性に奪われたって言ったよ、それ、マジ?」


祐は、頷く。

「そんなの、いつもだよ」

「親父が写真の編集をしていると、モデルさんと女優さんは暇」

「ほぼ、おもちゃで、遊ばれた」


そんな話の後は、全員で祐のアパートに。(ただ、純子と真由美は、祐の両隣の部屋)

祐が酢飯を作り、女子たちがマグロの山掛け、お吸い物、ポテトサラダの準備など。


無事に出来上がって、食べ始める。


「今日はありがとう、美味しくできたみたい」

春奈

「祐君の身体の力になるよね、お疲れモードだった」

朱里

「今日は、お泊りでいい?」


純子は、「認めてしまった」以上、反対が出来ない。

「とにかく、祐君が時々フラフラするしね」

真由美は、祐の性格に不安。

「一人になると、無理して、講演の練習をするでしょ?」

「喉を枯らしても、困るよ」


そうまで言われると、祐は断りづらい。

確かに一人になれば、深夜でも、原稿読みをすると思う。

また、昨晩は、純子と真由美が添い寝、そうなると春奈と朱里も、断りづらい。


それでも、少し不安を言う。

「でも・・・いいのかな」(朝のシャワーでのことも気になる)


純子は、笑顔(それも、輝いている)

「今さら・・・いい感じで・・・祐君、元気でうれしかった」

真由美は、真っ赤な顔になった。

「恥ずかしくなかった、で・・・感激した・・・すごかった」

「本での知識しかなくて・・・」


春奈と朱里の表情が変わった。

要するに「何かがあった、何かを見た」ということになる。


春奈は、祐にそっと聞く。

「祐君は・・・もう、大人なの?」(言って、顏を赤くする)

祐は、言いづらい。

「それ・・・言うの?」

「言うべきこと?」


しかし、女子たちの視線はきつい。

遠回しに言うことになった。

「かなり前・・・中学生のころ」


朱里の声が、震えた。

「お相手は・・・そうなると、大人の女の人?」


祐は、涙目になった。

「いい思い出でなくて」

「言いたくない」

「今でも、その人たちは嫌い」


珍しく、祐の口から出た「嫌い」の言葉に、女子たちは顏を見合わせている。

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