第315話衝撃の超美少女写真とは?

祐にとって、恥ずかしくて、どうしようもない写真は、馴染みの美容師小島由里だけが秘蔵していたもの。

祐は、「やめて!」と涙目で訴えた。

しかし、あえなく、その訴えは却下された。

とにかく、小島由里は、公開したくて、どうしようもなかったのである。


小島由里の美容院の中央の大スクリーンの画面から、大自然の風景が消えた。

「祐ちゃん、逆らえる?」の言葉も強かった。

祐は下を向いた。

「目を閉じています」

桜田愛奈は、祐の隣をがっちりゲット。

「大丈夫だよ、もう!」

「絶対受けるって!」

祐が、その口を「への字」に結んだ時だった。


中央の大スクリーンに、ポニーテールの超美少女(4歳ぐらい)が大写しに。


すると、純子、真由美、春奈、朱里、小島美容院のスタッフまで、大騒ぎ。


「あーーーー!何?すごく可愛い!」

「きゃ!美少女モデルさん?すごいなあ・・・これ、メチャ可愛い!」

「目がキラキラして・・・潤んでいる?」

「将来は超美少女だね、これだけ可愛いと」

「雑誌の表紙になれる、ポスターでも人気が出るよ」

「私、待ち受けにしたい、見せびらかしたい、こんな可愛い子みたことない」

・・・・・・


少し間があった。

女子たちの目が、祐に向けられた。

祐は、また顏を下に向ける。


純子は、やさしい顔と声。

「もしかして・・・写真の子は・・・祐君?」


祐は、「うん」と小声。(顏は真っ赤)


すると女子たちは、また大騒ぎ。

「えーーー?」

「可愛い!お肌プルプルで」

「だから先生は、お胸でゲットするんだ」

「したくなるよね、ムギュ―って!」

「うわー・・・・ヨダレもの」

・・・・


大騒ぎは落ち着かないまま、小島由里は祐の様々な写真を見せる。

「ポニーテールとピンクのシュシュ」

「三つあみ」

「お団子」

「編み込み」

「ロング」(ウィッグ使用)

・・・・・・


様々な祐のモデル写真に、女子たちが騒ぐ中、桜田愛奈が解説。

「私と祐ちゃんが顏の大きさとか、顏そのものが似ていたので、祐ちゃんは私のモデルなの」

「でも、祐ちゃんのほうが、可愛くて、表情も上手で」

「私、祐ちゃんに妬いたもの、悔しかった、モデルとして、祐ちゃんのほうが上)


小島由里が頷いていると、祐は、ようやく「反撃」を開始した。

「それは、愛奈が、我がままで、落ち着きのない子だったから」

「だから、愛奈のために、親父の撮影のために、仕方なくだよ」

「由里先生も、愛奈の我がままに、困っていたしさ」


しかし、祐の反撃は、女子たちや美容師たちに「完全スルー」された。

何しろ、写真ファイルを全員が欲しがり、スマホにDLする作業で大騒ぎになってしまったのだから。


愛奈は、ムッとする祐にフォロー(のつもり)・・・

「祐ちゃんより可愛くなろうと思って、努力したの」

「そして、いつか一緒に映画に出る約束したよね」

「まだ、果たしてもらってないよ」


祐は、まだ、ご機嫌斜め、横を向いている。


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