第94話三人とも、読書部!

私、吉村純子は、実は高校生の時、文芸部(読書会みたいなもの)に入っていた。

三年生の時には、部長も任されたほどだった。

どちらかと言えば、人をまとめるタイプかな、と思っていた。

でも、今日の祐君は、私の今までの全ての経験を上回った。(レベルが、数段違う)(中学生と大学生?それ以上だ)


祐君が、最初から、私と菊池さんのレベルに下げて(それも大変だったと思う)話をしていることは、わかっていた。

でも、祐君の話し方は、すごく引きつける。(立て板に水ではない、でも、間があるから、集中する)

源氏物語なんて、難しいあれこれと複雑な話を、スッキリ話すなんて、学者でも難しいこと。

本当に、祐君は、頑張ったと思う。(頭なでなでして、スリスリもしたいが、明太子女が邪魔だ)

ただ、祐君は、途中から疲れていた。(声のトーンが落ちてきていた)

明太子女が、「今日はここまで」と言ったことに、ホットした顔になっていた。


でも、私は、祐君のダウン回復には自信がある。(経験済みだ、これは明太子女にはない)

だから、多少祐君が疲れても、あまり気にしない。(ムギュできるから?それは・・・うん・・・今でもしたい、一晩でもしたい)


祐君は、お饅頭一口、モグモグして、飲み込んだ。(可愛い、お人形さんがお饅頭を食べている感じ!)

そして、ポツリ。

「僕、高校生の時、図書館委員で、読書部にもいたんです」

「ほぼ、幽霊部員だったけど」


明太子女

「体育会って雰囲気はないね」

「スポーツには興味はなかったの?」

祐君

「自宅と学校の距離があって」

「静岡県東部から中部なので、1時間以上かかる」

「朝練に間に合わない」

「運動部の人は、ほとんど学園の寮とか下宿していました」

「僕には、そこまでの意欲がなかった」

「それでも、中学の時は、陸上でした、障害物をやっていました」


明太子女は、まだ意味不明な感じ。

「それで図書館委員で読書部で・・・幽霊部員に?」

私はピンと来た。

「学校に早く来られない、長居もできない、運動を寮に入ったりするほどやりたくない、そんな感じ?」(確かに、この源氏の、文学の才能を、グラウンド競技に取られるのは、よくない、と思った)

祐君

「それが、大きな原因かな」

明太子女は、(似合わず?)恥じらいの顔。

「私も祐君と同じような感じの部活」

「読書部だった」

私は驚いた。(えーーー?って感じ)

「え?マジ?私も、文芸部、まあ読書部みたいなもの」


祐君は、少し笑った。

「いろいろと、ご縁がある人が・・・集まるんですね」

明太子女は顔を赤らめた。

「そうだね・・・うれしい感じ、お導きみたいで」

私(負けんよ、と思う)

「うちもそうや、それは感じとる」


そんな話をしていると、祐君のスマホが鳴った。

祐君は、スマホの画面を見て、首を傾げている。

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