第88話菊池真由美のチャレンジは、意外な方向に

「あ!おはようございます!」(私、菊池真由美は、最初から、噛んでしまった、顔は真っ赤だ)


「おはようございます」(祐君は、相変わらず、たどたどしい)(でも、それが好き!)


「お話しませんか?」(このピントの外れた直球言葉が・・・博多女だ・・・恥ずかしい)


「え?」(祐君は意味不明って、顔)(それも可愛いけど、私の言葉足らずが原因)


「源氏物語の玉鬘なんです」(よし!言えた!)


「うん?玉鬘の何を?」(祐君は、じっと私の顔を見て来る・・・)


「えっと・・・どう思うのかなって」(はぁ・・・それしか言えんばい)


「話、短くは、難しいですね」(祐君は真面目顔、いいなあ、この顔好き)


「どちらかのお部屋で・・・」(できれば、私の部屋に引きずってでも)


・・・と、そこまで話が進んだ時だった。

あいつが顔を出した。

あいつの部屋のドアが開いて

「あれ?祐君?・・・菊池・・・真由美さん?」(純子さん、私の名前は、うろ覚え?)


「あ、純子さん、おはようございます」(祐君、ホッとしたような顔、笑顔で・・・ちょっと辛いな)

「菊池真由美さんと源氏の玉鬘の話に」(まあ・・・そうだけどね・・・純子さん、邪魔だ)


「ふーん・・・面白そう」(純子さん!マジ?乗って来るの?)


「人が多い方が面白いかな、珈琲淹れます」(祐君は、意外なことを笑顔で言うし)


純子さん

「お菓子、残っているから、それも」(どんどん、話は進んでしまうしなあ・・・)


祐君

「じゃあ、入ってください」(強めの言い方、リーダーシップあるかも)


私、菊池真由美は、この流れに沿うしかなかった。

それでも、祐君の部屋に入ることは、一歩前進。


純子さんは、邪魔だけど、ここで張り合っても・・・と思うし。


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