第50話恵美は純子に安心する。

私、恵美は、本当にびっくりした。

千歳烏山の祐君のアパートに着いたと思ったら、祐君が可愛らしい女性と一緒に出て来るのだから。(マジに、その女の人は可愛らしく、やさしげに見えた!)


目を丸くしていると、祐君はすぐに気づいた。(ニコッと、子供の頃からのやさしい笑顔だった)

「あれ?恵美ちゃん、来てくれたの?」


「うん・・・」(その女性も私のことをじっと見ている)(だから祐君、さっさと紹介しなさい!焦るでしょ!)と思っていると、祐君はその女性を紹介した。(たどたどしいけど)


「吉村純子さん、隣の人」

「同じ大学の同じ学部に入るの」(すごい偶然かな、と想うけれど、祐君はまだ何か話す雰囲気)


「奈良に避難していた時に、すごくお世話になった和菓子屋さんの娘さん」

「東京に来て、いろいろと親身になってくれて」

(祐君の口ぶりから。とにかく、その純子さんを信頼していることがわかる)


祐君は、今度は私を紹介する。

「従妹、母の妹の娘さんで、本多恵美さん」

「おうちは、日本橋の割烹料理店」


すると、その純子さん、途端にニコニコ。(その笑顔が、ピカピカに輝いている)

「はい、純子です、恵美ちゃん、よろしくね」と、手を差し出して来る。


私は、本当うれしくなった。

(こんなやさしい人、しかも祐君が奈良でお世話になった人の娘さんなら、大丈夫と確信した)

「恵美です、祐君をよろしくお願いします」

と、しっかり握手。(柔らかな感触で、私は純子さんを、この時に好きになってしまった)


その後は、祐君の部屋に、三人で入った。

祐君が珈琲を淹れ、特に祐君の子供時代の話題になった。

(とにかく女の子にモテた話、いじめっ子から女の子を守った話、特にお母さんの影響で、読書好きなど)


それでも私は、母の言いつけを守った。

滞在時間は一時間で、あっさり帰った。

話をすればするほど、純子さんは「頼れる人」、と思った。

だから、本当にホッとして、日本橋の家に帰ったのである。

(もちろん、純子さんとメルアド交換と、日本橋の店への招待もした)


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