第36話私の身体は祐君の腕の中に

「祐君・・・」

私、純子は、「祐君抱きつきフェチ」になったような感覚。

(とにかく、祐君の抱き心地が、たまらない)

(逃がすものか、と思った)


「はい・・・」

祐君は、驚き続けたのか、情けない声。

(私には下心はあったけれど、祐君は自分を責める必要はないのに)


「もっと抱いていていい?」(やばい、本音を言っちゃった!違うことを言うつもりだった)


「え?」

祐君は、意味不明な感じ。(その感じも、可愛い!)


「だって・・・祐君、抱き心地がいいの」(これも、つい本音・・・本題に進めていない)


「・・・そう・・・なんですか?」(ところが祐君も不思議な反応、どう返していいのか、わからなかったのかな)


「何だろう、祐君を抱いているとね、うれしくなるの」

「それとね、なつかしい、そんな感じ」(これも本音ズバリ!)


「・・・ありがとうございます」(また祐君の、おもしろ発言!)


「祐君は、どう思うの?私に抱かれて」(これは、ドキドキ質問だったけれど、したかった)


「純子さん、暖かくて、柔らかで」(うん、妥当な反応と思ったけれど、私は胸を押し当て、気になるお腹を引っ込めた・・・)(ダイエットせねば、とも思った)


「ねえ、祐君、気にしているの?」(ようやく本題)

「気にしなくていいの、私が祐君にそうしたかったの」(強めに言う。事実だから)


「ありがとうございます、僕も助かりました」(祐君は、素直になった)


「お粥、玉子粥にするよ」(迷っている暇はない)


「大好きです、ありがとうございます」


私は、そこまで言わせて、ようやく祐君を解放する。

そして冷蔵庫に一歩踏み出した時だった。


「純子さん」(祐君は赤い顔)

「なあに?」(私は意味不明)


次の瞬間だった。


私の身体は、祐君の腕の中に包まれている。


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