第28話 毒親から離れ、よい仲間を見つけましょう!

このエッセイは、私が投稿している小説に関するものです。

投稿している小説は、正式なタイトルを「私が投稿している小説「京都市左京区下鴨女子寮へようこそ! 親が毒でも彼氏がクソでも仲間がいれば大丈夫!」といいます。

長いので、以下「(略)下鴨女子寮へようこそ!」としますね。

小説は→https://kakuyomu.jp/works/16817139555256984196


何度か書いておりますが、拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ」に登場する毒母は、私の実母がモデルです。


某巨大掲示板にも、毒母に苦しめられてきた人のスレッドがあります。

そこでたびたび言われるのが、「家庭の外に出ると、人間って優しいということに気づく」という点です。


もちろん、世の中には、いい人もいれば悪い人もいます。

私にだって「コンチクショー」と思うヤな奴は(何人も)いますよw


ただ、実母より心温かい他人様の方が多いですね……。

もともと親切な人もいますし、そんな根っからの善人でなくても条件が折り合えば私のために行動してくれる人はたくさんいました。


私の母のように、娘の人格を粘着質に全否定するような、絡みついてくるような悪意を私に向けてくる人はいませんでした。


姫野カオルコさんに「謎の毒親」という小説があります(2015年 新潮社 / 2018年 新潮文庫)。

この小説の中の毒親たちは「絶対に褒めない育児」をしますし、衝動的に娘のポジティブな気持ちを挫こうとします(「挫き衝動」と表現されています)。

いやあ、毒親「あるある」ですね……。

赤の他人であれば、何か望ましいことをすれば褒めてくれるし、相手の心を折るような言動は避けてくれます。

毒親にそれらは期待できませんが、たいていの他人様は気を遣ってくれるものです。


毒親のもとで苦しんでいる皆さんには、「どうか絶望しないで外に出て! 逃げて!」とお伝えしたいですね。

毒親に植え付けられた価値観が原因で、社会でやっていくのが難しい場面もあるかもしれませんが、乗り越えた先には少なくとも今よりマシな状況があると思います。


美希もまた、毒親に植え付けられた自己肯定感の低さで、今回過剰に落ち込んでしまいます。


読者諸賢にはお分かりのことと思いますが。

別に「繊細」ってのは貶し言葉ではありません。

金田さんと武田氏が図書館で話していたのをちょっと立ち聞きしただけで、「この二人に何か恋愛感情に近い特別な感情があって、自分は手がかかる面倒くさい女だと貶されている」と美希が思い込むのは行き過ぎというものでしょう。


ただ、美希はずーっとあの毒母に人格を否定されてきました。

京都での学生生活が始まって解毒も進んでいましたが、先日毒母の来襲があったばかりです。


毒母は武田氏とのお付き合いにも「うまくいくわけない」という暗示を美希にかけていました。


その場面を引用しておきますね。


”「美希ちゃんの彼氏……」

 ここで母は思ってもないことを言いだした。

「金田さんと随分話が弾んでいたわね。理系の分野で分かり合える者同士で気が合ったんでしょう。美希は文系だから合わないかもよ。そうでなくても美希は男の人にモテるはずないんだから、安心していてはダメ。武田さんにいつ振られてもいいように、他のご縁も大切にね」

 美希は動揺のあまり口を動かすことも出来ない。

「ほら。合コンとかあるでしょう。色んな男の人に可愛がられるようにしておくのよ。いい? 西都大学の女子学生だから生意気だなんて思われないようにね。常に男の人を立てるのを忘れちゃダメよ」

 その後、母とどんな遣り取りをしたか美希は覚えていない。”


毒母が来襲して色んな人をディスっていて、そのうち寮生たちについてのものは、寮生たちが否定してくれました。


でも、武田氏について「美希は文系だから合わない」「美希がモテるはずない」「いつ振られてもいいように」という呪詛のような言葉はそのまま美希の心の隅に残っていたのです。


美希の頭の中に「私は価値がないのだから武田氏に振られるに違いない」という思い込みが生じてしまっていたところだったんですね。


武田氏が金田さんと話すのを見ただけで、武田氏は金田さんと特別な中だと思い込み、そして仲間だから祝福したいのに出来ないと葛藤しています。


(これまで拙作で武田氏がたびたび金田さんを褒めてます。第20話「泥棒!泥棒!泥棒!」では氏が金田さんの金髪を「世間と闘う戦闘服みたいでカッコイイ」と褒めたところで、美希の胸がチリリと痛むという描写があります。一応伏線というか、だったんですよ……)。


美希が(独り相撲で)陥っている葛藤から救ってくれるのも、下鴨女子寮の仲間たちです。


新市さんが早々に武田氏を女子寮に呼び出す段取りをつけてしまいましたw

炭川さんは「ドラマが始まる」とどこかワクワクした様子ですし、美希以外の下鴨女子寮生には今後の展開の予想がついているようですw


次回。

下鴨女子寮にすっ飛んでくる武田氏と美希はどのようなやりとりをするのでしょうか。


残りあと2話です。

どうか最後までご愛読賜りますよう。


追記


本文中にあるように、作中では時間が経過し、冬の始まりです。

「鴨川にゆりかもめの大群が現れるようになった」と書いております。

本当、多いですよ~。


あと、京都で冬を過ごすと、京都は日本海式気候に近いのかなという気になります。

私は神戸の出身で、冬という季節は晴れの日が多いものだと思っていました。

東京に住んでた時も同様です。

学生になって京都で暮らし始め、初めての冬を迎えた時、ずーっと曇天続きで「ああ、生まれ育った神戸と違って京都は日本海式の天候に近いんだなあ」と思ったものです。


どんよりと厚い雲が低く垂れこめ、雨粒が礫のようにぶつかる……美希の心象風景でもあり、リアル京都の風景でもあります。


冬の京都はあまり楽しくない場所ですがw、そうして観光客が来ないシーズンなので落ち着いて回れます。

また、このシーズンだから特別に公開される寺社や宝物もあります。

コロナの状況次第ですが、これは!と思うものがありましたら、ぜひ京都におこしやす。





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