第26話 京都府立植物園の見どころは?

このエッセイは、私が投稿している小説に関するものです。

投稿している小説の正式なタイトルは「京都市左京区下鴨女子寮へようこそ! 親が毒でも彼氏がクソでも仲間がいれば大丈夫!」です。

以下「(略)下鴨女子寮へようこそ!」としますね。

小説のURLはこちらです→https://kakuyomu.jp/works/16817139555256984196


拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ」の今回のお話は、京都府立植物園が舞台です。


実は「府立植物園」、名前だけ既に登場しています。

「第2話 学生課のマリリン・モンロー」で、美希が自転車に乗れないので下鴨女子寮までバスで行く場面があります。

その最寄りのバス停が「府立植物園前」なのです。


河合さんが美希に説明している台詞を引用しておきます。


”「へええ。自転車に乗れないの?  変わってるね。ええと、じゃあ正門前のバス停から市バスの206系統に乗って『府立植物園前』ってバス停で降りて。 私は自転車で先回りしてバス停で待ってる」”


ところで。

皆さんは、キプロスってどこか分かりますか?


だしぬけに何の話かと驚かれたでしょうかw

いや最後には府立植物園に話題は戻ってきます。ご安心を。


今から約20年前のある日。

私は京都駅から206系統の市バスに乗っていました。


この206系統、京都駅から三十三間堂や八坂神社、知恩院など京都の代表的な観光地の近くを通るので観光客で激混みする路線です。


幸い最後部のロングシートの隅に座れたので、英語の論文を読んでいました(大学院生だったので)。

すると、隣に座った欧米系の女性観光客2人連れに”Can you speak English?"と聞かれてしまい……。


私は基本的に英語が苦手なのでノーと言いたいところですが。

手にしているのが英語の文章ですからね……。ノーとは言えまへんわw


で。

この二人が私に尋ねたかったのが「ボタニカルガーデン(植物園)にはどう行けばいいのか」という質問。

残念ながら私は植物園より手前でバスを降りるので、バスのアナウンスが"Shokubutuenmae"と言ったら降りるといいですよ、と返答したように思います。


そして。

私の方から「どちらからお越しですか?」と聞くと、「キプロスから」とのご回答。

えーっと、キプロス?

ここで「ああ、地中海にそんな島があったはず」と思い出せた私を褒めてやってくださいw


キプロスはトルコの南にある島です(ギリシャとトルコとで領土関係の紛争があります)。

そんな遠い異国から日本に、しかも、京都という千年以上続く文化財の街に観光で訪れて……それで目的地が「府立植物園」というのが印象的で、未だに覚えています。

「ユーラシア大陸の西の端からわざわざ見に行きたくなるほど珍しいものがあるんやろか」とずっと気がかりだったんです。


未だにコレという答えは見つかっていませんが……。


京都府立植物園は、「日本で最初の公立植物園として、1924年(大正13年)1月1日に開園した」のだそうです(Wikipediaにより)。

もともと半木(なからぎ)神社の鎮守の森だったそうで、その自然林を残すように設計されたのだとか(敗戦後に米軍の住宅用地に使われた際にだいぶ木が切られてしまったようですが)。


大きな温室もあり、世界中の珍しい植物が見られます。


また、敷地内の楠の並木道は、川端康成の小説『古都』にも登場するそうです。


日本の自然な森か、世界の珍奇な植物か、ノーベル文学賞のヤスナリ・カワバタの世界か。

なにかがキプロスからのお客様の琴線に触れたのでしょうね……。


こんなに長いこと気になるのなら、あの市バスの中で聞いておいたら良かったですw


普通に日本人にとっても見どころはいっぱいです。

バラ園は豪華ですし、花しょうぶ園も華麗です。

シャクヤクや半夏生なども見に行きました。


今回のお話にあるとおり、スギやヒノキ、キリなど材木になる樹木もあります。

それぞれにプレートがついているので勉強になりますよ。


この植物園の北辺にあるのが「北山通」です。

武田氏が説明していますとおり、もとは田畑があるような場所でしたが、地下鉄の延伸でお洒落なビルが立ち並ぶ界隈となりました。

私は流行モノに疎いのですが、いろんな尖がったファッショナブルなお店が多かったようです。


当時、自転車で北山通りを走ることがありましたが。

ポストモダン建築と呼ばれる奇抜な建物をいくつか記憶しています。


拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ」の本文でも述べましたが、いくつかは取り壊されてしまいました。


北山通りは今でもほどほどにお洒落ですし、全く人気がないわけではありませんが、

北山駅のすぐそばにあった府立の施設が廃止されたままで、今一つ寂しい感じはします。

そこで、京都府がこの界隈を再開発しようとしているのですが……。

この計画が植物園の自然を損ねるのではないかと反対運動が起こっています。

もし、皆さんが「京都府立植物園」で検索したら、このあたりの情報がヒットするかもしれません。

私としては、北山駅そばのあの古い施設を何とかするだけで、それ以上にあまり植物園をいじってほしくないですね。

拙作で描写したように、とても静かな環境ですし。


今回、その静かな森の中で氏は一生懸命美希に何かを告白しようとしていますがw

ここでアノ毒母から電話がかかります。


その毒母の来襲を迎え撃つために、武田氏は下鴨女子寮に出向き、寮生たちと直接顔を合わせて「打ち合わせ」をしようと言います。


冒頭に述べたように、下鴨女子寮の最寄りのバス停は「府立植物園前」ですので、徒歩圏内なんですよ。


次回は、毒母の来襲に向けての作戦会議とその実行です。


続きもお読みいただければ大変嬉しいです。

どうか最後までご愛読賜りますよう。

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